スティックを「右右・左左」と二回ずつ打つシンプルな動作ですが、思った通りに音がそろわず、片手が走ってしまったり、手首が固まってしまったりする人は少なくありません。
しかし、正しいフォームと練習の積み重ねで必ず身につきます。
本記事では、初心者でも取り組みやすいダブルストロークの練習法を、段階的に紹介します。
目次
STEP:1 ダブルストロークとは?
ダブルストロークは、片手で2打ずつ叩く奏法です。
基本は「RRLL」を繰り返す形で、パラディドルやロールなど多くのリズムの基礎になります。
※ここでの表記「R」は右手(Right)、「L」は左手(Left)を意味します。
つまり「RRLL」と書かれていたら、「右・右・左・左」の順に叩くと理解してください。
シングルストローク(RLRL)に比べて手数が減るため、速いテンポや長いフレーズを無理なく叩けるようになります。
つまり、ダブルストロークは「効率よくスティックをコントロールする技術」と言えるでしょう。
STEP:2 ダブルストローク練習前の準備
スティックの握り方(補足付き)
・親指と人差し指で軽く支え、中指・薬指・小指は添えるイメージ。
・特に 親指・人差し指・中指で小さな三角形をつくるように握ると安定感が出ます。
・三角形の頂点でスティックを支え、残りの指は力を入れすぎず添える程度でOKです。
・こうすることで、スティックが自然に跳ね返る余地を残しつつ、コントロールがしやすくなります。
姿勢とパッド
・背筋を伸ばし、リラックスしてスティックを構える。
・練習パッドやスネアの中央をまっすぐ叩き、安定したリバウンドを感じましょう。
STEP:3 ステップ1:ゆっくり2打を揃える
最初はテンポ60前後のメトロノームに合わせて、右手(R)で「タッタ」、左手(L)で「タッタ」と2打ずつ叩きます。
・1打目は手首で叩き、2打目はリバウンドを利用する意識で。
・均等な音量に揃えることを目標にしましょう。
補足:ダブルストロークでは2打目が弱くなりがちです。その際は「指の動きと同時に手首を少し巻き上げる」イメージを持つと、2打目の音量が落ちにくくなります。
単に指に任せるのではなく、手首と連動させる意識を持つと、力まず安定した2打が打てるようになります。
ここで大事なのは「速さよりも音の揃い」です。録音して確認すると、自分のクセが見えてきます。
STEP:4 ステップ2:シングルストロークとの組み合わせ
ダブルストロークだけを延々と叩くと単調になりがちです。
そこで、シングルストロークと組み合わせると効果的です。
例)
RLRL RRLL RLRL RRLL
4拍シングル+4拍ダブル
こうすることで、実際のフレーズに近い形で練習できます。
慣れてきたらテンポを少しずつ上げていきましょう。
STEP:5 ステップ3:テンポを上げる練習法
テンポを上げると、どうしても「力任せ」に叩きがちになります。
ここで意識したいのが「手首と指の分担」です。
・1打目=手首のダウンストローク
・2打目=指でのコントロール(リバウンド補助)
この意識を持つだけで、速くても疲れにくく、音もクリアになります。指先で軽く押さえる感覚を養うと、上達が早まります。
さらに、2打目はどうしても弱くなりがちです。
その際は「指の動きと同時に手首を少し巻き上げる」イメージを持つと、音量が落ちにくくなります。
テンポが上がってもバランスの取れたダブルストロークを維持しやすくなるでしょう。
また、テンポ練習の目安としては「60 → 80 → 100 → 120」と段階を踏むと無理なく進められます。
いきなり速くするより、1週間ごとにテンポを少し上げていくと安定感が増します。
STEP:6 ステップ4:実際の曲に取り入れる
基礎練習だけでなく、好きな曲のフィルインやスネアロールにダブルストロークを取り入れると「使える技術」になります。
例えば、バラードのスネアロールやアップテンポのフィルなど、活用できる場面は多くあります。
曲の中で試すと練習のモチベーションも高まります。
初心者のうちは、1曲の中で「ここはダブルを使う」とポイントを決めて実践すると効果的です。
STEP:7 よくあるつまずきと対策
片手が安定しない
→利き手だけでなく、苦手な手を重点的に練習する。
音量がばらつく
→2打目を力で叩かず、リバウンドを活かす。
腕がすぐ疲れる
→力を抜いて、手首・指のバランスを意識する。
これらは誰もが通る道なので、焦らず修正していきましょう。
STEP:8 練習メニュー例(初心者向け)
1.ウォームアップ(5分)
シングルストロークをゆっくり叩き、手首をほぐす。
2.ダブルストローク基礎(10分)
R=右手、L=左手で「RRLL」を繰り返す。テンポ60から。
3.シングル+ダブルの組み合わせ(5分)
RLRL RRLL を繰り返し、スムーズな切り替えを意識。
4.好きな曲で実践(10分)
簡単なフィルやロールに取り入れてみる。
合計30分ほどを目安に、毎日少しずつ続けると無理なく上達できます。
STEP:9 【まとめ】ダブルストロークの練習方法
ダブルストロークは初心者にとって難しく感じる技術ですが、段階的に練習を積めば必ず身につきます。
1.ゆっくりと2打を揃える
2.シングルと組み合わせる
3.手首と指を分担してテンポを上げる
4.実際の曲に取り入れる
この流れを繰り返すことで、確実に上達します。
焦らず少しずつ積み重ね、ドラム演奏の幅を広げていきましょう。
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