歪み系のエフェクターを使う時も、アンプシミュレーターを通す時も、土台となるのはアンプのクリーントーン。
しかし、初心者の方にとってアンプのつまみ――特に「トレブル」「ミドル」「ベース」の3つをどう設定すればいいのか、意外と難しいですよね。
そこで今回は、アンプ1台・つまみ3つだけで“使える”クリーントーンを作る方法を、わかりやすく解説します!
目次
STEP:1 まず理解したい!「クリーントーン」とは何か?
クリーントーンとは、歪みのない、ピュアなギターサウンドのこと。
アコースティックギターのように澄んだ音ではなく、エレキギター特有の温かみや立体感を持ちながらも、音の輪郭がはっきりしているのが特徴です。
使われるシーンも多く、
ファンクやポップスのカッティング
ジャズのコードワーク
歌モノのバッキング
など、幅広いジャンルで求められます。
つまり、クリーントーンをきちんと作れることは、ギタリストとしての“音作りの土台”を理解している証でもあります。
STEP:2 基本の3つのつまみ「トレブル」「ミドル」「ベース」の役割
アンプのイコライザー(EQ)部分には、ほとんどのモデルで以下の3つのつまみがあります。
トレブル(Treble):高音域の調整。音のキラキラ感や抜けをコントロール。
ミドル(Middle):中音域の調整。ギターらしい存在感や太さを決める。
ベース(Bass):低音域の調整。音の厚みや暖かさに影響。
この3つのバランスで音の性格が大きく変わります。
「ベースを上げると太くなる」「トレブルを下げると優しくなる」――それは正解でもあり、時に間違いでもあります。
重要なのは、「どんな環境で」「どんな目的の音」を作るか、という「前提」です。
STEP:3 まずは“フラット”から始めよう
どんなアンプでも、まずは3つのつまみをすべて12時(真ん中)に設定してみましょう。
これがいわゆる「フラットな状態」。アンプ本来のキャラクターを確認できます。
そこから、
音がこもっている → トレブルを少し上げる
音が軽い・細い → ミドルを上げる
低音が足りない → ベースを少し上げる
といったように、必要な方向に微調整していくのがコツです。
一気に回すよりも、1目盛りずつ上げ下げして変化を聴く耳を養いましょう。
STEP:4 “使える”クリーントーンを作る3つの王道バランス
ここでは、よく使われる3パターンを紹介します。どれも実践的で、ライブ・録音問わず役立つ設定です。
① オールラウンダー型(どんなジャンルにも対応)
トレブル:5
ミドル:5
ベース:5
一番バランスの取れた設定。ストラトキャスターやテレキャスターなら、ハリのある自然なクリーンに。
「とりあえず迷ったらこれ」な万能セッティングです。
② カッティング向け・ジャキジャキ系
トレブル:7
ミドル:4
ベース:4
ファンクやポップスでコードをカッティングする時に最適。高音がキレ良く抜け、音の粒立ちがきれいに出ます。
ただし、トレブルを上げすぎると耳に痛くなるので、明るさを感じたところで止めましょう。
③ ジャズ・バラード向け・ウォーム系
トレブル:4
ミドル:6
ベース:6
丸みのある温かいトーン。ハムバッカー搭載ギターとの相性が抜群。
ピッキングを優しくすることで、さらに艶やかなクリーンが得られます。
STEP:5 「音がこもる」「硬い」と感じたときの調整法
初心者がよくつまずくのが、「自分の音が他人のよりこもって聴こえる」「カリカリしすぎる」などの問題。
これはEQだけでなく、部屋の環境やピックアップの選択にも関係します。
こもっている時
トレブルを少し上げる(5→6)
ミドルを軽く下げる(5→4)
ピックアップをリア寄りに切り替える
硬い・耳に痛い時
トレブルを少し下げる(5→4)
ミドルを上げて芯を出す(5→6)
ピックアップをフロント寄りにする
少しの調整で驚くほど音が変わります。大切なのは、「どこをどう変えたらどう聴こえたか」をメモすること。これを続けることで、耳がどんどん育ちます。
STEP:6 “アンプ1台”で音作りを完結させる意義
最近はマルチエフェクターやアンプシミュレーターが主流になっていますが、まずは実機アンプ1台で自分の音を作る経験が何より重要です。
なぜなら、EQの効果やアンプの反応を体感できるのは、実際にスピーカーから出る空気の振動を感じる瞬間だからです。
アンプ1台でクリーンを突き詰めた人ほど、後にエフェクターを使ってもバランスの良い音を作れる傾向があります。
つまり、シンプルな環境で耳を鍛えることが、遠回りのようで最短ルートなんです。
STEP:7 まとめ:シンプルだからこそ奥が深い
「トレブル」「ミドル」「ベース」の3つのつまみだけでも、クリーントーンは無限に変化します。
大切なのは、「自分の理想の音」を少しずつ具体化していくこと。
アンプ1台と3つのつまみがあれば、それはもう立派な“音作りの武器”です。
・まずは12時スタート
・1目盛りずつ変化を聴く
・「こもり」や「硬さ」はミドルとトレブルで調整
この3つを意識するだけで、あなたのクリーントーンは確実に変わります。
今日から、アンプ1台で“使える”クリーンを追求してみましょう。
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