ギターの宅録術:EQとコンプで「こもり音」を解消する基本ステップ
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ギターの宅録術:EQとコンプで「こもり音」を解消する基本ステップ

エレキギターでもアコースティックギターでも、宅録をしていて「音がこもって抜けない」と感じたことはありませんか?
実はこれは、EQ(イコライザー)とコンプレッサーの扱い方を少し意識するだけで劇的に改善します。
この記事では、初心者でも実践できる「こもり音解消の基本ステップ」をわかりやすく解説します。

STEP:1 こもり音が生まれる原因を知ろう

まず、結論から言いますと、こもり音の正体は「中低域のたまりすぎ」です。
200Hz〜500Hzあたりの帯域に音が密集すると、音抜けが悪くなり、モコモコした印象になります。
エレキギターの場合は、アンプシミュレーターやマイク位置の影響でこの帯域が膨らみがち。
アコースティックギターでは、ボディ鳴りやマイクの距離が近すぎることが原因になります。

こもり音が生まれる原因を知ろう

STEP:2 EQで中低域をスッキリ整理しよう

EQは「不要な帯域を削る」のが基本です。
初心者がやりがちな「高音を足して明るくしよう」は、実は逆効果になることが多いです。
まずはカットから始めましょう。

 エレキギターの場合
250〜400Hzあたりを少し下げる(−2〜3dB程度)
 → モコモコ感が減って音が前に出やすくなります。
80Hz以下は思い切ってカット(ハイパスフィルター)
 → 不要な低域を整理し、ベースとぶつからないように。

 アコースティックギターの場合
200〜300Hzを軽くカットすると、こもりが取れて透明感がアップ。
反対に、8kHz付近をほんの少し持ち上げると、弦のアタック感や空気感が戻ります。
ポイントは、「ほんの少し」だけ触ること。
EQは味付けではなく“整理”のツールと考えるのがコツです。

EQで中低域をスッキリ整理しよう

STEP:3 コンプレッサーで音のバランスを整えよう

EQで不要な帯域を整理したら、次は**コンプレッサー(コンプ)**で音の輪郭を揃えます。
コンプの目的は「音を圧縮すること」ではなく、演奏のばらつきを自然に整えることです。

 エレキギター
アタック:速め(5〜10ms)
リリース:中程度(50〜100ms)
レシオ:3:1前後
→ ピッキングの勢いを残しつつ、音量差を自然にまとめます。
歪み系エフェクトを使っている場合は、かけすぎると潰れるので軽めに。

 アコースティックギター
アタック:やや遅め(15〜25ms)
リリース:自然に(80〜120ms)
→ ピッキングのアタックがしっかり残り、リズムが生きたサウンドになります。
歌とのバランスを取る場合は、コンプ後に全体の音量を微調整すると◎。

コンプレッサーで音のバランスを整えよう

STEP:4 最後に確認すべき「抜け感チェック」

EQとコンプを調整したら、必ず他のトラックと一緒に聴くこと。
ソロで聴くと良くても、全体で聴くと埋もれる…というのはよくある話です。
ベースとぶつかっていないか?
ボーカルを邪魔していないか?
音の輪郭が残っているか?
この3点をチェックすれば、自然に「抜ける音」になります。

STEP:5 まとめ:削る勇気が抜ける音を作る

こもり音の原因は、音を足しすぎること。
EQとコンプは「派手にする道具」ではなく、「不要な要素を整理する道具」です。
少しの調整で、宅録ギターは驚くほどクリアに生まれ変わります。

・中低域(200〜500Hz)を控えめに
・EQはカット優先
・コンプは自然に、リズムを殺さない設定で

地味な作業ほど音の印象を大きく変えます。
少しずつ耳を慣らしながら、自分だけの“抜けるギターサウンド”を作っていきましょう。

まとめ:削る勇気が抜ける音を作る

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