歌ってみたで声がこもる/刺さる…|EQで直すチェックリスト
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歌ってみたで声がこもる/刺さる…|EQで直すチェックリスト

歌い手の悩みをEQで解決!動画とチェックリストで「こもる・刺さる」を解消し、プロ級の抜け感を。

STEP:1 1. 不要な低域をカットする(ローカット)

まず最初に行うべきは、80Hz以下をバッサリと切り落とす「ローカット」です。
なぜ80Hzなのか。それは、この帯域がベースやキックが主役となる場所だからです。
ボーカルの低域がここを占領してしまうと、お互いの音がぶつかり合い、全体が「濁って聞こえる」原因になります。
ボーカルという楽器は、80Hz以下をカットしてもその魅力が損なわれることはありません。むしろ、不要なモヤつきが消えることで、驚くほどクリアで存在感のある声に変化します。
ポイント: まずは80Hzを目安にカットし、ベースのためのスペースを空けてあげましょう。
微調整のコツ: もし80Hzを切ってもまだ音が濁って聞こえる場合は、ヘッドホンで注意深く聴きながら、フィルターの位置を右へスライドさせてみてください。声の芯が細くならないギリギリのラインまで、少しずつ削っていくのがプロの仕上がりへの近道です。110Hz以上をカットするとボーカルの芯がなくなってしまうのでほどほどに。

1. 不要な低域をカットする(ローカット)

STEP:2 2.「こもり・モヤモヤ」の原因(200〜500Hz)を削る

次に取り組むのは、歌声の透明感を左右する「こもり・モヤモヤ」の原因(200〜500Hz)を削る工程です。
男性・女性ボーカル問わず、この帯域には「鼻詰まり」のような不要な音が潜んでいます。これを放置すると、どれだけ高域を上げてもスッキリした音にはなりません。
特定の手順(スイープ): EQのQ幅を極限まで狭め、山を高く持ち上げます。そのまま200Hz〜500Hzの間をゆっくり左右にスライドさせ、「一番耳障りに聞こえるポイント」をピンポイントで探します。感覚でいうと箱の中で歌っているような声を探してください。
補正の加減: 問題の場所が見つかったら、そのまま垂直に下げていきます。目安は**-1dB〜-5dB**。これ以上削りすぎると声の厚みがなくなり、不自然に細くなってしまうので注意しましょう。この範囲に留めることで、ナチュラルに不要な帯域を取り除けます。
[🎥 動画解説:こもり帯域の特定方法] 実際にEQの山を動かして、嫌な音が「グワッ」と強調される瞬間と、それをカットしてスッキリさせるまでの操作画面を見せます。イヤホン、ヘッドホンでの視聴を推奨します。

2.「こもり・モヤモヤ」の原因(200〜500Hz)を削る

STEP:3 3. 耳に「刺さる音(5000〜7000Hz)」を特定して抑える

「こもり」が取れたら、次は耳に刺さる「痛い音」をケアしましょう。特に注意すべきは、5000Hz〜7000Hz付近です。

ここをスイープで探すと、「ピー」という口笛のような音や、空気が抜けるような不快な音が強調される場所が見つかるはずです。

手順と加減: 目次2の工程と同じく、狭いQ幅で特定し、-1dB〜-5dBを目安にカットします。削り方のルールは同じですが、ここでの調整は「声のキャラクター」を決定づける重要なポイントになります。
キャラクターの調整:
ダークで落ち着いた雰囲気にしたい: 刺さる帯域を少し多めに削ることで、しっとりと大人びた声になります。
ポップで明るい雰囲気にしたい: 削りすぎず、あえて高域を残すことで、抜けの良い華やかな印象をキープできます。
ここを整えるだけで、長時間聴いても疲れない、「聴き心地の良い歌声」に仕上がります。

3. 耳に「刺さる音(5000〜7000Hz)」を特定して抑える

STEP:4 4. EQだけでは限界?「刺さる音」への対処法

どれだけEQを追い込んでも、特定の「サ行」や「カ行」だけがどうしても耳に刺さってしまうことがあります。ここで無理にEQで削り続けるのは禁物。声の明るさが失われ、どんどん「死んだ音」になってしまうからです。
そんな時に投入するのが、「ディエッサー(De-esser)」という専用ツールです。
SSL De-esserの魔法: 数ある中でもおすすめは、名門ブランドの血を引くSSL De-esser。このプラグインは、EQのように常にその帯域を削り続けるのではなく、「刺さる瞬間の音」だけを検知して、その瞬間だけ抑えてくれる賢い道具です。
使い分けのコツ:
EQ: 声のキャラクターを整え、全体的な「こもり」や「刺さり」を減らす。
ディエッサー: EQで取りきれなかった「瞬間的なトゲ」を抜く。
「EQだけで何とかしようとしない」こと。この引き際を知ることが、ボーカルMIXをワンランク上のステージへ引き上げる秘訣です。

4. EQだけでは限界?「刺さる音」への対処法

STEP:5 5. 意図のある音作りを

ここまでFL Studioの標準EQを使ったテクニックを解説してきましたが、最後に一番大切なことをお伝えします。
「FL標準の無料EQだけでも、正しい知識とアプローチさえあれば、高品質な音作りは十分に可能です。」
確かに、無料ツールにはできることに限りがあります。また、「高価なプラグインを買えばいい音が作れる」というわけでもありません。
大事なのは、ツールが何かではなく、「自分がどういう音を作りたいか」という意図のある音作りです。
作業をしているとき、自然と体が動くような音になっているか。
聴いた瞬間に、自分の脳と心臓が震えるような音を作れているか。
もし、あなたがその音を聴いて魂が揺さぶられているのなら、それは一つの「正解」です。そこに至るまでの手段やプラグインの種類なんて、極論どうだっていいのです。
丁寧な下処理の先にあるのは、リスナーの心を動かす最高の一品。 あなたのこだわりを込めた一曲を完成させてください。

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