手首への負担を減らすには、手首だけではなく、肩やひじ、腕まで含めて身体の使い方を見直すことが大切です。無理に脱力しようとするのではなく、余計な力を入れなくても弾ける姿勢やフォームをつくることを意識してみましょう。
この記事では、手首へ負担がかかりやすい原因と、初心者でも確認しやすいフォームや練習方法、そして手軽にできるストレッチを紹介します。
目次
- STEP:1 ピアノで手首が痛くなる原因
- STEP:2 手首に負担をかけにくいフォームにする3ステップ
- STEP:3 1.椅子の高さと鍵盤との距離を確認する
- STEP:4 2.肩・ひじ・手首を固めない
- STEP:5 手首が上がりすぎていないか確認する
- STEP:6 手首が下がりすぎていないか確認する
- STEP:7 3.腕の重さを指先までつなげる
- STEP:8 手首が痛いときに見直したい練習方法
- STEP:9 演奏前後に気軽にできる手首のストレッチ3つ
- STEP:10 1.手の甲側を伸ばす
- STEP:11 2.親指側を伸ばす
- STEP:12 3.手のひら側を伸ばす
- STEP:13 痛みが続く場合は無理をしない
- STEP:14 まとめ|力まず弾けるフォームを身につけよう
STEP:1 ピアノで手首が痛くなる原因
手首に違和感があると、手首だけに原因があるように感じるかもしれません。しかし、ピアノを弾くときは肩から腕、手首、指先までがつながって動いています。
難しいフレーズで肩をすくめる、ひじを固めるといった弾き方は、手首や指に余計な力が入りやすくなります。
手首を極端に上げたり下げたりすると、手首まわりが動かしにくくなる
指だけで鍵盤を強く押すと、前腕や手首が固まりやすくなる
長時間同じ動きを繰り返すと、疲労によってフォームが崩れやすくなる
手首だけでなく、肩やひじまで含めて、どこに力が入っているか見てみましょう。
STEP:2 手首に負担をかけにくいフォームにする3ステップ
手首への負担を減らすために大切なのは、余計な力を使わなくても鍵盤を押せる位置をつくることです。
「力を抜かなければ」と考える前に、まず座り方から順番に見直してみましょう。
STEP:3 1.椅子の高さと鍵盤との距離を確認する
まず確認したいのが、椅子の高さと鍵盤との距離です。
椅子が低すぎると手首を持ち上げやすく、反対に高すぎると手首が下がった姿勢になりやすくなります。
鍵盤から遠すぎると腕を前へ伸ばしやすく、近すぎるとひじを動かしにくくなります。鍵盤に手を置いたとき、肩をすくめず、ひじや手首を無理に曲げなくても手が届く位置を探してみてください。
体格は人それぞれなので、「椅子はこの高さが正解」と数字だけで決める必要はありません。
STEP:4 2.肩・ひじ・手首を固めない
正しいフォームは、肩から手まで自然につながる位置
鍵盤に手を置いたら、肩が上がっていないかたしかめます。肩が耳に近づいているようなら、少し楽な位置へ戻してみてください。
ひじも身体の横に固定せず、左右へ自然に動ける余裕を残します。手首は、前腕から手の甲までが大きく折れ曲がらず、自然につながっている位置がひとつの目安です。
ここでいう脱力とは、腕をだらんとさせることではありません。鍵盤を押すために必要な力は使いながら、必要のない場所まで一緒に力ませないことがポイントです。
私も演奏するとき、うまくいかない部分ほど音や指に意識が集中しがちです。そんなときに肩やひじまで確認すると、自分でも気づかないうちに身体が固まっていることがあります。
STEP:5 手首が上がりすぎていないか確認する
手首を高く持ち上げたまま弾くと、前腕から手の甲までのつながりが不自然になり、手首まわりも動かしにくくなります。
「手首を下げなければ」と無理に押さえ込むのではなく、肩やひじの力も確認しながら、前腕から手の甲までが自然につながる位置へ戻してみてください。
STEP:6 手首が下がりすぎていないか確認する
反対に、手首が鍵盤より大きく下がった状態も避けたいフォームです。手首が落ちたままだと、指だけで鍵盤を押そうとして力が入りやすくなることがあります。
ただし、「正しい位置をキープしなければ」と手首を固める必要はありません。高い音や低い音へ移動するときには、ひじや手首も演奏に合わせて自然に動きます。せん。鍵盤を押すために必要な力は使いながら、必要のない場所まで一緒に力ませないことがポイントです。
私も演奏するとき、うまくいかない部分ほど音や指に意識が集中しがちです。そんなときに肩やひじまで確認すると、自分でも気づかないうちに身体が固まっていることがあります。
STEP:7 3.腕の重さを指先までつなげる
「腕の重さを使う」と言われても、初心者のうちはイメージしにくいかもしれません。
指先だけで鍵盤を上から突くのではなく、肩から腕、手、指先までがつながった状態で鍵盤に触れる感覚を意識してみてください。
まず鍵盤の上に手を置き、肩とひじを固めずに一音をゆっくり押します。指先だけで鍵盤を押し込まず、腕の重さが指先を通って鍵盤に伝わる感覚を探します。
慣れてきたら、隣の鍵盤へ移動するときも手首を固定せず、腕やひじが小さくついてくるように動かしてみましょう。
「正しい手首の形をキープする」ことより、余計な力を使わず、演奏に合わせて自然に身体が動ける状態をつくることが大切です。
STEP:8 手首が痛いときに見直したい練習方法
演奏中に痛みを感じたら、我慢して弾き続けず、いったん鍵盤から手を離します。
再開するときはテンポを落とし、肩が上がっていないか、ひじや手首を固めていないかをたしかめながらゆっくり弾いてみてください。長く練習するときも、疲れ切ってからではなく、フォームが崩れる前に休憩を挟むと身体の状態に気づきやすくなります。
STEP:9 演奏前後に気軽にできる手首のストレッチ3つ
演奏後に手や腕をケアしたいときは、痛みのない範囲でゆっくり伸ばす方法があります。強く引っ張らず、気持ちよく伸びている程度を目安にしてください。
STEP:10 1.手の甲側を伸ばす
片腕を前に伸ばして手のひらを下に向けます。反対の手で指先を持ち、手首をゆっくり自分の方へ曲げます。ひじの外側から手の甲側が伸びる位置で止めます。
STEP:11 2.親指側を伸ばす
片腕を前に伸ばし、親指が下を向くように手のひらを外側へ向けます。反対の手を添え、無理のない範囲で手首をゆっくり曲げます。ひじの外側から親指の付け根にかけて伸びる感覚が目安です。
STEP:12 3.手のひら側を伸ばす
片腕を前に伸ばして手のひらを上へ向けます。反対の手で指先を持ち、手首をゆっくり下向きに反らします。ひじの内側から手のひら側が伸びる位置で止めます。
鋭い痛みが出る場合は続けません。すでに強い痛みや腫れ、しびれがある場合も、無理にストレッチをせず演奏を休んでください。
STEP:13 痛みが続く場合は無理をしない
手首の痛みには、さまざまな原因があります。日本整形外科学会では、親指側の手首に痛みや腫れが出る疾患としてドケルバン病などを紹介しています。
「ピアノを弾きすぎたから」と自己判断せず、演奏時の違和感であれば、ピアノの先生にフォームを見てもらうのもひとつの方法です。ただし、強い痛みや腫れ、しびれがある場合や、痛みが続く・悪化する場合は練習を休み、医療機関へ相談してください。
STEP:14 まとめ|力まず弾けるフォームを身につけよう
ピアノで手首への負担を減らすには、手首だけを意識するのではなく、椅子の高さや肩、ひじ、腕の使い方まで見直してみましょう。
まずはテンポを落とし、余計な力を入れなくても自然に動けるフォームを探してみてください。肩やひじ、手首の状態を一つずつ確認しながら練習することが、無理なくピアノを続けるための第一歩です。
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