ピアニストが解説!初めてのピアノ選び
鍵盤楽器 ピアノ
初級
その他

ピアニストが解説!初めてのピアノ選び

「ピアノを始めよう!」となったとき、まず最初にぶつかるのが「どんなピアノを買えばいいか?」という問題。ご自身またはお子さまの習い事として始める方、しっかり音楽を学びたい方など、シチュエーションはさまざま。
最初の楽器こそ、しっかりと選びたいものですね。
電子ピアノ、アップライトピアノ、グランドピアノ……それぞれのピアノの特徴や選び方のポイント、購入前に知っておくべき注意点をステップ形式で解説していきます。

STEP:1 電子ピアノを購入するケース

「最初はとりあえず、電子ピアノで…」と考える方は多いのではないでしょうか。
電子ピアノも最近ではバリエーションが広く、お手頃に手に入るものからプロ向けのハイエンドなものとなっています。
いつまで続くかわからないから最初はキーボードでいいや…という方も多いのですが、将来的に「鍵盤が足りない」「ペダルがない」といった問題が出てきた際に何度も買い替えることになることも。
トータルコストで考えるとキーボードではなく電子ピアノを購入されることをおすすめします。

【こんな人におすすめ】
・集合住宅で音の問題が気になる方
・気軽に始めたい、まずは試してみたいという方
・お子さまの習い始めの時期に…という方

【メリット】
・価格帯が広く、導入しやすい(5万円〜30万円程度)
・音量調整や録音機能などの便利機能付き
・調律不要のため、メンテナンス費用がかからない

【注意点】
・機種によって鍵盤の重さや反応、音が本物と異なる
・繊細なタッチや音色を求められる、ハイレベルな曲の練習には向いていない
・集合住宅は打鍵音が下の階に響くため、設置場所の防音対策が必要
・電化製品と同様に10年程度で部品がなくなるため、長期使用には向いていない

電子ピアノを購入するケース

STEP:2 アップライトピアノを購入するケース

アップライトピアノはいわゆる「生ピアノ」になりますが、お子さまから中上級者の方まで幅広く購入されるモデルです。
自宅でも幅を取ることがなく、消音機能がついたものもあります。
可能であれば、大手の楽器店や工場などで試弾(試し弾き)をしたり、サイズを確認して購入することをおすすめします。

【こんな人におすすめ】
・自宅でもしっかりとした音とタッチで練習したい方
・長期的に利用する or 万が一辞めたあとに売却を考えている方
・できるだけ場所を取らずに生ピアノを使用したい方

【メリット】
・生音による豊かな響きと表現力
・鍵盤やペダルが本格的で、指の訓練にも良い
・色なども幅広くインテリア性があり、部屋の雰囲気にもなじみやすい

【注意点】
・定期的な調律が必要(費用:1万円〜3万円程度/回)
・設置場所と運搬費用に注意(重量は200kg前後のため専門業者での運搬が必須)
・設置場所の湿度管理が必要(平均50〜60%を維持)

アップライトピアノを購入するケース

STEP:3 グランドピアノを購入するケース

ピアノを学習される方にとって、グランドピアノは憧れといっても過言ではないのではないでしょうか。
最初からグランドピアノを購入する勇気はなかなか出ないかもしれませんが、どうしてもグランドピアノを購入したい!という方向けです。

【こんな人におすすめ】
・将来的に音楽高校、音楽大学受験やコンクール出場を視野に入れている方
・プロ志向で、タッチや表現にこだわりたい方
・できるだけ人目で演奏する楽器に近い環境で練習したい方

【メリット】
・音の広がり、響き、鍵盤の戻りなど最高の演奏環境
・ペダル操作やタッチによる音色変化が繊細に出る
・練習の質が格段に上がる

【注意点】
・設置には防音/防振対策が必須。床補強が必要になる場合も
・小型でも価格帯は100万円以上(中古でも数十万円〜)、メーカーによっては1,000万を超えるものも
・定期的な調律や湿度管理が必須

グランドピアノを購入するケース

STEP:4 ピアノ購入時によくある失敗と対策

ここで、ピアノ購入時によくある失敗を紹介します。
ご購入の際にこんな失敗に陥らないように参考になれば嬉しいです!

①鍵盤数・ペダル数が足りない!!
電子ピアノの部分でも触れましたが、購入時は必ず88鍵&3本ペダルがあるものにしましょう。
61鍵のキーボードは後悔のもと。

②ピアノがお部屋の主になるほど大きかった……
事前に寸法確認+運搬経路のチェックを忘れずに行いましょう。
エレベーターや部屋のドアからピアノが入れられないこともあるので、搬入経路はしっかり確認しましょう。

③すぐにやめてしまった……
ピアノのリース業者さんもたくさんあります。
まずはリース業者さんで数年借りるのもひとつの方法です。
もうピアノに触ることはないだろうな……というケースは、売却することも可能です。
CMでおなじみのピアノ買取業者さんに相談しましょう。

④調律や維持費を知らなかった
生ピアノの購入時には、購入した楽器店から調律師さんを紹介していただいたり、調律費やメンテナンスにかかる費用をしっかりと確認しましょう。

STEP:5 まとめ

ピアノ選びに正解はありません。
大切なのは、ご自身やご家族にとって「最適な選択かどうか」です。
電子ピアノもアップライトもグランドも、それぞれに魅力があり、それぞれの学習ステージに適しています。
(ちなみに筆者はRolandのデジタルグランドを10年ほど愛用していますが、ゴリゴリにクラシックを練習していても全く問題ありません!)

購入してから長く付き合っていく楽器だからこそ、無理なく心地よく弾き続けられるものを選びましょう。
この記事が、あなたにとって最高のピアノと出会うきっかけになれたらと思います。

コメント0件