「両手になると止まる」
「曲になると弾けない」
そんな悩みを抱えている人は少なくありません。
しかも一番つらいのは、「練習しているのに成長している実感がない」ことではないでしょうか。
実はこれは、センスや練習量ではなく、練習の順番が原因であることがほとんどです。正しい順番で積み重ねれば、コード演奏は自然に身についていきます。
この記事では、初級から中級へ自然にステップアップするための4つの練習手順を紹介します。
目次
STEP:1 コード演奏は「4つの手順」で進める
コード演奏は、次の4つの手順で考えると整理しやすくなります。
1.ハ長調で仕組みからコードを理解する
2.スムーズなコードチェンジを身につける
3.表現力をつけるテクニックを知る
4.好きな曲で実践する
1~2を飛ばして3・4に進むと、一時的に弾けた気がしても定着しません。基礎 → 動き → 表現 → 実践の順番が大切です。
STEP:2 手順1:ハ長調で仕組みからコードを理解する
最初はハ長調の主要三和音で学びます。ハ長調は黒鍵がなく、音の並びや和音の仕組みが目で理解しやすいため、コードの基礎を身につけるのに最適です。
三和音は「ルート(根音)+3度+5度」で作られます。
・C(ドミソ)
・F(ファラド)
・G(ソシレ)
この仕組みを理解すると、「なぜこの3つの音を弾くとCやFやGになるのか」が分かります。丸暗記する必要はありません。
さらに、他の調に移ったときも応用が利き、黒鍵に対する苦手意識も減っていきます。
STEP:3 手順2:スムーズなコードチェンジを身につける
ここでは「きれいに弾く」よりも止まらずに動かすことを目的にします。メトロノームを使い、BPM60など遅いテンポで練習しましょう。
コードが変わるとき、動かさなくていい指を探すことがポイントです。
下の鍵盤例で、CからFへ移るときの指の動きを確認してみましょう。
Cの形をできるだけ保ったままFを考えると、手の動きが少なく済みます。
左手で弾く場合は、次のように指を動かしてみてください。
ド:小指 → ド小指
ミ:中指 → ファ人差し指
ソ:親指 → ラ親指
指の動きが最小限で済むことが分かります。
また、多少音が濁っても問題ありません。正解は「音の正確さ」ではなく、リズム通りに指が動いたかどうかです。止まらずに弾く感覚を最優先に練習しましょう。
この練習ができるようになると、「コードを見る → 手が迷わず動く」状態に近づきます。
STEP:4 手順3:表現力をつけるテクニックを知る
コードを押さえられるようになったら、次は音楽としての表情を加えていきます。
表現力をつけるポイントは、大きく3つに分けられます。
・響きを変える
・弾き方を変える
・つなぎをなめらかにする
ここでは、その具体的な方法として次の4つを紹介します。
STEP:5 手順3-①:7thコードで響きを変える
コードに7thを1音足すだけで、響きは大きく変わります。
たとえば Gコード(ソシレ) に次の音を足してみましょう。
・ファ(短7度)を足すと、いわゆる G7
→ 緊張感が生まれ、次のコードへ進みたくなる響き
・ファ♯(長7度)を足すと GM7
→ 少し切なさや透明感のある、落ち着いた響きになります。
7thを加えると、「音楽が前に進む感じ」や「空気がふわっと広がる感じ」が生まれます。まずは理屈よりも、「あ、雰囲気が変わった」と感じられれば十分です。
STEP:6 手順3-②:テンションノートで広がりを出す
テンションノートとは、コードの基本音(ルート・3度・5度)にさらに上の音を足して、響きに広がりや色合いを加える音のことです。
実は、7thコードの上に3度ずつ音を積み重ねた先にある音(9th・11th・13th)がテンションになります。高音でそっと足すだけでも十分効果的です。
STEP:7 手順3-③:ラウンドコードで流れを作る
コードが変わるときは、左手を大きく動かさないことが伴奏を安定させます。
たとえば、よく使われるコード進行C → G → Am → F を考えてみましょう。
基本形のままだと、手が毎回大きく動き、音やリズムが不安定になります。そこで大切なのが、今の手の位置に近い形を選ぶことです。
左手の一例は以下の通りです。
・C:ドミソ
・G:シレソ(第1転回形)
・Am:ラドミ
・F:ラドファ(第2転回形)
このように形を選ぶと、コードが変わっても手の位置はほとんど変わりません。トップの音の動きも「ソ → ソ → ミ → ファ」と少し変わるだけになり、伴奏に自然な流れが生まれます。
動きの少ない形を選べるようになると、コード演奏は一気に弾きやすくなります。
STEP:8 手順3-④:アルペジオで表情をつける
アルペジオとは、コードの音を同時に押さえるのではなく、順番に並べて弾くスタイルです。下の楽譜のように、左手がオクターブを含めた広い形で音を並べると、低音が安定し、伴奏に厚みが生まれます。
「ドソミソ」のような狭い動きのアルペジオもありますが、ポップスではオクターブを使った形の方が土台が安定し、曲全体を支えやすくなります。ぜひ、チャレンジしてみてください。
STEP:9 手順4:好きな曲で実践する
完璧に弾く必要はありません。止まらず最後まで進めただけでも立派な練習です。サビやワンフレーズだけで十分なので、耳でメロディーを確認できる、知っている曲を選びましょう。
楽譜は、コード譜ではなく、伴奏とコードネームが書かれた初級用がおすすめです。難易度に合った伴奏パターンを身につけられます。
実践の中で学んだことが、次の理解や表現力の向上につながります。
STEP:10 まとめ
コード演奏は、才能ではなく積み重ねる順番で決まります。
・仕組みを理解する
・動きをなめらかにする
・表現を足す
・曲で使う
この流れを守れば、初級から中級へ無理なくステップアップできます。
難しいことを増やすより、できることをつなげていく方が上達の近道です。気づけば、「コード演奏ができない」ではなく、「コードで弾ける曲が増えている」状態になっているはずです。
コメント0件