コードで弾きたい初心者へ|左手の型(ルート・アルペジオ)入門
カテゴリー
レベル

コードで弾きたい初心者へ|左手の型(ルート・アルペジオ)入門

「ピアノをコードで弾いてみたいけれど、左手は何をすればいいの?」と迷っていませんか?
右手でメロディや和音を弾くとき、左手は音楽の土台となる大切な役割を担います。難しい動きをしなくても、基本の「型」さえ覚えてしまえば、伴奏の響きはぐっと豊かになります。
今回は、「聖者の行進」で実際に楽譜と弾き方を確認しながら、「ルート奏法」と「アルペジオ奏法」の2つをご紹介します。

STEP:1 すべての基本「ルート音」とは?

C、G、Am などのアルファベットは「コード名」です。
このコード名の頭にある音(Cならド、Gならソ、Amならラ)が、そのコードの中心になる音で、「ルート音(根音)」と呼ばれます。
左手の最も大切な役割は、このルート音を鳴らして曲の土台を支えることです。

STEP:2 ルート|単音

それでは、ルート音をつかって伴奏をつけていきます。まずは左手の指1本で、ルート音を単音で弾いてみましょう。
これだけで、右手とのバランスが取れて「曲」として成立します。

ルート|単音

STEP:3 ルート|オクターブ

もし指が届くなら、小指(5番)と親指(1番)で、1オクターブ離れた同じ音を同時に弾いてみてください。
単音で弾いた時よりも響きに厚みが出て、より安心感のある土台になります。

STEP:4 アルペジオってどんな弾き方?

土台を作ることができたら、次に「アルペジオ」に挑戦してみましょう。
アルペジオとは、イタリア語で「ハープのように」という意味の言葉で、和音を構成する音を一音ずつバラバラに弾く奏法です。
左手に動きが出ることで、演奏に心地よい流れが生まれます。

STEP:5 アルペジオ|上行→下行

まずは3つの音を低い方から高い方へ順番に弾き、また戻ってくる「上行→下行」の形を見てみましょう。
この際、コードの構成音(そのコードに含まれる音)はそのままに、弾く音の順番を変える「転回形」を入れてみると、手の移動が最小限で弾きやすくなります。

・Cコード:ド → ミ → ソ → ミ
・Gコード:シ→レ→ソ→レ(ソ・シ・レの順番を入れ替えた形)
・Fコード:ド → ファ → ラ → ファ(ファ・ラ・ドの順番を入れ替えた形)

アルペジオ|上行→下行

STEP:6 アルペジオ|2音の往復

もっと陽気に弾きたい時は、1番目と5番目の音だけを交互に刻むスタイルで弾いてみましょう。
上行→下行よりも単純な動きですが、聖者の行進のような元気な曲調に合う軽快な演奏になります。指2本で簡単に弾けるので、テンポの速い曲にも最適です。
先ほどよりも少しアップテンポで弾いてみます。

アルペジオ|2音の往復

STEP:7 アルペジオ|自由にアレンジしてみましょう

慣れてきたら、コードの構成音を自由に組み合わせてみましょう。 例えば1オクターブ低いドから始め、ド・ソ・ド・ミ・ソ…とペダルを使いながらゆっくり上がってくるようなパターンも素敵です。このように音域を広く使い音を積み上げていくことで、明るく元気な曲でも、どこかゆったり壮大な印象に聴こえてきます。
アルペジオにはたくさんのパターンがありますが、どれが正解ということはありません。
ぜひ「自分ならどんな雰囲気で弾きたいか」を想像して、自由に音を選んでみてください。

STEP:8 左手の伴奏を楽に弾くポイント

左手で伴奏を弾いている最中、次のコードへ移る瞬間の緊張感から、つい手首や腕に力が入ってしまうことはありませんか?その力みが原因で、スムーズに指が動かなかったり、弾いているうちに腕が疲れてしまうことも。
左手の動きで安定して音楽を支え続けるためには、正しい手の形や手首、腕の使い方を意識して弾くことが大切です。

STEP:9 手で卵を包み込むイメージ

指を伸ばしたままベタッと鍵盤をおさえると指の独立性が失われ、素早いアルペジオをスムーズに弾くことができません。
手の中に小さな卵をふんわりと包み込んでいるような、丸い形をキープしましょう。ピアノを弾く時の基本の形で、指の第一関節がしっかりと立つことで力むことなく芯のある音を鳴らすことができます。
音域が広くなると遠くの音を弾くときに指がピンと伸びてしまいがちですが、手のひらの中の空間を完全には潰さないように意識してみましょう。

手で卵を包み込むイメージ

STEP:10 「手首のクッション」を活用する

音の数や移動が多いアルペジオでは、手首が硬くならないよう意識しましょう。
打鍵のたびにガクガクと上下に振るのではなく、指が移動する方向に合わせて手首もふわっとついていくように動かしてみてください。この時、指先の芯まで失われないように注意します。指先にはしっかりと重みを感じながら弾きましょう。
弾き始める前に、鍵盤に指を置いたまま手首の動きだけ練習してみるのもおすすめです。下から上へ向かって円を描くようなイメージで、腕も柔らかく連動させましょう。

「手首のクッション」を活用する

STEP:11 力ではなく「重さ」で弾く

「指の力」だけで鍵盤を押し込もうとすると、弾いているうちに腕が張ってしまいます。
鍵盤は叩くのではなく、腕全体の重みを指先に「乗せる」イメージで弾いてみましょう。
腕を楽に、脇を締めすぎず肘を少し外側にフリーにしておくことで、重みがスムーズに鍵盤へ伝わり、動きが忙しくなっても疲れずに弾くことができます。

力ではなく「重さ」で弾く

STEP:12 まとめ

今回は、左手で伴奏をつける時の型と弾く時のポイントを紹介しました。
まずはルート音で支えるだけでも十分。そこからアルペジオのバリエーションを増やしていくことで、演奏にいろんな表情が生まれます。
軽快なリズムで刻んだりペダルを使って綺麗に響かせたりと、曲に合わせた変化を楽しみながら弾いてみてくださいね。

コメント0件