三味線の楽譜は五線譜とも違うし、数字ばかり並んでいて難しそうに見えますよね。
今回は、実際に「さくらさくら」の楽譜を見ながら、三味線の三線譜を読めるようになるための基本的なポイントを解説します。
目次
STEP:1 三味線の楽譜ってどんなもの?
まずは例として「さくらさくら」の楽譜を見てみましょう。
3本の線に数字が書かれたものが三味線の楽譜です。
・三線譜
または
・文化譜
と呼ばれます。
縦譜と呼ばれる縦書きの譜面もありますが
今回はこの横書きの三線譜について解説していきます。
STEP:2 三味線の「三線譜」の読み方(1)
(1)楽譜の線の意味
三線譜の3本の線は
上から
三の糸
二の糸
一の糸
をそれぞれ表します。
(2)数字の意味
「さくらさくら」の楽譜を見ると
三味線の楽譜は「数字」で書かれていますね。
この数字は“音名”ではなく“押さえる場所(勘所)”を示しています。
(所謂「タブ譜」と言われる形です)
これにより
「⚪︎の糸の△の番号を抑える」
ということが楽譜から分かります。
(3)拍子について
楽譜の区切りの線は一小節を表しています。
さくらさくらの楽譜を見ると
向かって左上に「四分の二拍子」とありますので、この楽譜では
「一小節に四分音符が2つ分」入ることを示します。
STEP:3 三味線の「三線譜」の読み方(2)
⚪︎数字の下の線は?
この楽譜では、数字は通常「四分音符」を示します。
その数字の下に
線を一本引くと:八分音符
線を二本引くと:十六分音符
線を三本引くと:三十二分音符
を示します。
対応表でまとめましたので確認してみてください。
STEP:4 調子について
楽譜の向かって左上に「二上り」と記載されています。
これは「この楽譜は二上りの調子で演奏する」
という指示です。
三味線の調子を「二上り」に合わせましょう。
調子の合わせ方がわからない方はこちらの記事で復習してくださいね▼
https://howto.mikke-music.jp/howtos/VChoSRA
STEP:5 音の高さについて
この楽譜には「何本の調子に合わせるか」の情報がありません。
伴奏楽器である三味線は「歌う人の声の高さ」に合わせて調弦をするため
楽譜上で音の高さを指定する必要がないためです。
低い声なら1〜4本
高い声なら4〜8本程度といった具合で
男性女性、大人でも子供でも
三味線一本あれば歌う人の声に合わせた伴奏が可能です。
とはいえ、1本調子は糸がだるだるで弾きにくく、8本以上の調子では糸が張りすぎて切れやすくなるため
練習では5本くらいの調子に合わせるのがおすすめです。
(複数の三味線との演奏や、他の楽器と合わせる際は何本調子にするかを決めて音の高さを合わせましょう)
STEP:6 勘所をおさえてみよう
楽譜に書かれた数字=勘所をおさえてみましょう。
棹上の糸を左手の指でおさえます。
三味線には、ギターのようなフレットがありませんので
「勘所(かんどころ)」と呼ばれる各音階の「ツボ」をおさえます。
それぞれの勘所は、特に印があるわけではありませんので、まさに「勘」で弾いているわけです。
初めのうちは、譜尺シールと呼ばれる番号のついたシールを棹に貼ってガイドにする方もいらっしゃいます。
シールは三味線に慣れるまでは便利ですが、どうしても「番号」を弾くだけになってしまい、音を聞き取るのがおろそかになりますので、勘所がこのあたりだという見当がつくようになったらシールは剥がすことをおすすめします。
まずは弾きたい曲のお手本となる動画や音源をよく聞き、お手本と同じ音が出ているかを確かめながら、音を覚えましょう。
勘所の場所は、
0が開放弦(何もおさえていない状態)で
乳袋のすぐ下が1
そこから2…3…と下に向かって数字が大きく、音が高くなります。
また、一応の目安として
4と6の勘所は、上部のつなぎ目の位置
14の勘所は、下部のつなぎ目の位置
10の勘所は、開放弦0のオクターブ上の音の位置
となっています(三味線が正寸の場合。短棹になると位置はずれます)。
音が高くなるにつれて、勘所の間隔は狭くなります。
STEP:7 糸は爪でおさえる!
勘所の場所が分かったら、糸を左手の爪でおさえます。
指の腹ではないので注意してください。
三味線の糸は、指を三味線に対して直角に折り曲げて「爪」でおさえます。
爪が長い場合は、糸を安定しておさえることができませんので、指先ぎりぎりの長さに切りましょう。
爪はラウンド型よりは、スクエア型のフラットな形にした方がおさえやすいです。
STEP:8 「さくらさくら」を弾いてみよう!
まずは「さくらさくら」の楽譜を見比べながら、実演動画を見てみてください。
STEP:9 おさえる指について
三味線を弾く際、人差指、中指、薬指の三本の指で糸をおさえます。
今回の「さくらさくら」では、三本すべての指を使います。
楽譜上では、それぞれの指を以下のアラビア数字で表しています。
人差指:Ⅰ
中指:Ⅱ
薬指:Ⅲ
基本的には人差指(Ⅰ)で糸をおさえますが、Ⅱ、Ⅲの指が登場した場合には
人差し指を離さずに、中指、薬指で糸をおさえてください。
例えば、
5という勘所をおさえる際は人差し指で4の勘所をおさえながら中指で5の勘所をおさえるといった具合です。
※本来の楽譜では、逐一、指使いの記号(Ⅰ、Ⅱ、Ⅲ)は記載しませんが、今回は初学者の方に向けてすべての指使いを記載しています。
STEP:10 撥当てについて
今回の譜面では、すくい撥や押し撥といった右手の撥遣いの技法や、
ハジキや打ち指といった左手の技法を用いらない、基本的な撥当てのみで演奏ができる譜面を紹介しています。
右手は撥の上げ下げのみで演奏ができますので、撥の当て方について不安がある方は
こちらの記事で復習をしてください▼
https://howto.mikke-music.jp/howtos/IXWIZYE
STEP:11 どこを見て演奏するの?
楽譜を見ながら演奏する場合、左手の勘所をどうやって確認するの?と疑問に思う方もいるかもしれません。
これがまさに「勘所」なのですが
左手は基本的に視界には入れず、楽譜を見ながら手探りで勘所を見つけて演奏することになります。
楽譜と左手を同時に見ながら演奏はできないので、左手は感覚で動かしていきます。
何度も練習するうちに、次第に自分の身体に対しての棹との位置関係や、実際に出ている音から、正しい勘所をおさえることができるようになります。
そして将来、いよいよ楽譜を暗譜して、左手が勝手に動くようになったら
すっと前を見据えて三味線を演奏してみてください。
最初は練習あるのみ!まずは一曲弾けるようになると三味線演奏がもっと楽しくなりますよ。
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