母音で音程がズレる理由と矯正法
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母音で音程がズレる理由と矯正法

「アの音になると下がってしまう」「曲の中で母音ごとに音程が揺れる」——そんな経験はありませんか?声楽を学んでいると多くの人が一度は直面する悩みです。
でも実はこれ、母音がもつ響きの違いに声が引っ張られているだけ!
コツを押さえれば必ず安定していきます。この記事では、母音が変わっても音程を維持する 4つのステップ で矯正法を紹介します!

STEP:1 ステップ1 母音ごとの響きの違いを知る

音程が母音によってズレるのは、口の形や舌の位置、共鳴する空間の変化が原因です。
• ア母音:口が縦に開き、息をたくさん使うため響きが下に落ち、音が低めに感じられやすい
• イ母音:響きが前方に集まりやすく、音程を捉えやすいが、喉が固くなりやすい
イで喉が固くなっていると感じる方は、喉で声を詰まらせている可能性があります。

☆「イ母音」を発声する際は、喉はリンゴ一個分通るくらい開いているべきです。もちろん実際はそんなに空いているわけではありませんが、自分の持つイメージとしてはそのくらいでちょうどいいのです。
これは深いあくびをするときの喉の状態に似ています。
つまり、のどの状態はまさに「ア」となっているべきなのです。
この仕組みを理解することが、矯正の第一歩になります。

👉 トレーニングをするときは、「ア」より先に「イ」から始めましょう!
これだけで響きがまとまり、安定につながります。

STEP:2 ステップ2 ロングトーンで耳を育てる

母音矯正の練習は、まずロングトーンから。
ロングトーンとは、ひとつの音を息を一定に保ちながらまっすぐ伸ばす練習です。

ロングトーン時の姿勢も非常に重要です:
• 肩の力は抜いてまっすぐ立つ
• 下腹は程よい緊張を保つ
• 胸の力は抜くが、前のめりになったりダラッとしない。
これによって呼吸が安定し、母音の響きを正確に保ちやすくなります。
• ピアノやキーボードを使い、無理のない高さで音を鳴らす
• その音に合わせて声を出す
• 自分の声をよく聴く(響きが下がっていないか、ブレていないか)
無理に高音を出そうとせず、半音ずつ少しずつ上げることが大切です。
練習時間:初心者の場合、ロングトーンや音階練習は5~10分程度続けると効果的です。
短くても毎日続けることが大切です。

STEP:3 ステップ3 イ母音を基準にして他の母音へ広げる

音程を安定させるには、まずイ母音で高さをつかむのがおすすめです。
母音の移行はこの順番が理想的:
• イ → エ → ア(→ オ → ウ)
※オ母音・ウ母音は響きが暗くなりやすいため、声楽トレーニングではあまりおすすめしません。

👉イ・エ・アの3母音を繰り返す、またはそれぞれ単独で練習するのが効果的です。
注意点:練習中にイ母音で喉が固くなる場合は、ステップ1で説明した「喉の開き」を意識しながら行いましょう。

STEP:4 ステップ4 音域を広げて少しずつ挑戦する

母音のコントロールに慣れたら、音階練習で音域を広げましょう。

• 最初は短い音階(例:ド〜ソ、またはレ〜ラ)
• 「ド」ではなく「レ」から半音ずつ上げていくと歌いやすい
• 安定してきたら少しずつ広げる

焦らず段階を踏むことで、母音に左右されない安定したピッチ感が身につき、曲の中でも自信を持って歌えるようになります。
練習時間の目安:10分を毎日続けると、母音と音程の感覚が着実に向上します。


声楽は挑戦の連続ですが、その一歩一歩が確実にあなたの力になります。母音で音程が変わるのは自然なこと。大事なのは、正しい練習法を知って続けることです。今日の練習が明日の自信を作ります。小さな努力を積み重ね、あなたの声がより自由に、美しく響くことを楽しみにしています。頑張ってください!

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