自宅で歌録「ゲインの設定」
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自宅で歌録「ゲインの設定」

自宅レコーディングを始める方に向けて、オーディオインターフェイスのゲインの設定についての説明。DAWのバッファの設定や音源の書き出しの注意点について。

STEP:1 録音した声が小さい!音割れする!の原因って?

自宅でレコーディングをする際に、実際録音したものを聞き直すと、インストよりもかなり音量が小さく録音されていて困った事はありませんか。
きちんとマイクの向きも合っているし、声量も出ているはずなのに、どうして…と四苦八苦される方も多いです。
また、それとは逆にボーカルが音割れしてしまって、全力で歌えないという事もあります。
どうして、そのような現象が起こるのでしょうか。

原因の一つとして、オーディオインターフェイスのゲインの設定が、適正でない可能性があります。
それではさっそく、ゲインの設定方法の動画をご覧ください。

STEP:2 実際にゲインを調節してみよう

動画でもご説明しましたが、手順を記載します。
オーディオインターフェイスによって、ゲインのある場所は違いますので、どのツマミがゲインかわからない方は検索してください。
まずDAWを立ち上げて、フェーダーの音声のメーターを確認します。声を出すと、メーターが上下に動くと思います。


①オーディオインターフェースと普段使用しているマイクをつなげて、オーディオインターフェースが反応しているか確認する。

②歌うときに出す、最大の声量をマイクに向かって出す。

③声量をキープしたまま、フェーダーで赤がつかない(もしくは天井につかない)ギリギリまでインターフェイスのツマミを大きい方にまわして、ゲインを上げる

※赤いランプがついてしまうようなら、つかない位置までツマミを戻す。


以上を行う事で、声量が小さく録音される事も、音割れする事もかなり少なくなると思います。
確認のため、サラッとワンコーラス歌ってみましょう。

STEP:3 MIXでボリュームを上げるのはダメなの?

でも声量が小さくても、MIXに出した時に音量を上げてもらえばいいんじゃないの?と思いませんか。
それでは、MIXエンジニアの視点から、声量の小さいファイルについて見ていきたいと思います。

人の声には、倍音といって幅広い音の周波数が含まれます。
一般的に、この倍音がどれくらい出ているかで人は声に深みや、豊かさを感じます(正確にはもっと詳しい定義がありますが、ザックリとこういうものだと思ってください)。
よく、声が細い、という表現がされる事がありますが、声量の小さなファイルはその通り、「細い」声として出力されます。

つまり、声の「旨み成分」ともいうべき倍音が拾えずに、厚みの感じにくいボーカルデータになってしまうのです。
どれだけ会心の歌が歌えたと思っても、これでは非常にもったいないです。
このようなファイルは、MIX時に音量を上げたとしても、せっかくの声の美味しい部分は損なわれたまま単に音が大きくなります。

MIXでは、声に対して様々な処理を行います。その時、声の倍音がしっかり出ていると、その処理の効果を最大限に発揮する事ができます。
例えば、細い木の枝で彫刻像を作るのと、太く立派な木材で作るのでは、どちらが美しく豊かな作品になるでしょうか。
声量も同じで、ゲインの調節を適正に行い、しっかりと声を録音する事で更に表現の豊かな良い作品にする事ができます。

STEP:4 ボーカルファイル録音、書き出し時の注意点

DAWで歌を録音、書き出しする際にはモノラルで行ってください。
モノラルで録音、書き出しする事で、ステレオ録音よりもクオリティの高い音質になりやすいです。
楽曲の演出上、左右に声を振りたいパートなどがある場合は、エンジニアに伝えると声を割り振ってくれます。

DAWでボーカルを録音する際、DAWの設定で自分の声がヘッドホンに返ってくるようにしているかと思います。
その時、バッファの設定を128や256などの設定にすると、歌いやすい速さで声が返って来ます。
人によってちょうど良いと感じる速さは違うので、色々と試してみてください。


このように、適正な方法で録音すると、声の持ち味をしっかりと引き出す事ができます。
最後に、時折りマイクの裏表が間違っている方がいますので、お使いのマイクの表を一度確認してみてください!
ぜひ、楽しい歌録生活を!!

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