目次
STEP:1
高い声が出ずに、歌うことを諦めてしまった楽曲はありませんか。
実はそれは「音域の問題」ではなく、発声方法が原因かもしれません。
正しいやり方を身につければ、誰でも力強く安定した高音を出せるようになります。
この記事では高音発声の中でも特に、『芯と響きのある裏声』ヘッドボイスに焦点を当ててお話ししていきます。10年以上息混じりのファルセットボイスに悩まされていた私が実際に取り入れて効果を感じられた練習法と注意点を厳選してご紹介します。ぜひ日々のトレーニングに取り入れてみてください。
STEP:2 ヘッドボイスとファルセットボイスの違い
具体的な発声方法に移る前に、よく混同されやすいヘッドボイスとファルセットボイスの違いについて整理しましょう。
・ヘッドボイス:『芯と響きのある裏声』で地声のような芯の強さがあります。
・ファルセットボイス:イタリア語で仮声を意味し、『息混じりの柔らかい裏声』を指します。
同じ高音域発声ではありますが、歌唱において地声(チェストボイス)とのバランスを考えるとヘッドボイスが適しています。もちろん表現としてファルセットボイスのような柔らかく優しい響きが適している場面も多くあるので、自在に使い分けることを目標に取り組みましょう。
STEP:3 ヘッドボイスを作る
ヘッドボイスを構成する要素は、
【裏声+声門完全閉鎖+共鳴】
大きく分けてこの3点です。先ほど整理したヘッドボイスとファルセットボイスの違いを踏まえ、今度は実際にヘッドボイスをどのように作っていくのか、動画を用いて解説します。ぜひ読み進めながら一緒にお試しください。
STEP:4 ステップ① 裏声を出す
ヘッドボイスを出せるようになるには、まず裏声が出せることが最初のステップです。
ここでご紹介する方法はリップロールです。リップロールには声帯や顔まわりの筋肉を緩める効果があります。その効果を利用して低い音から高い音へスケールを使い一度発声する事で喉の立ち上げと共に裏声も出しやすくなります。
余談ですが、リップロールが苦手な方もいらっしゃると思います。そんな時は両手の人差し指で軽く口角を押さえてみてください。余計な力が抜けて驚くほどリップロールがやりやすくなります。
STEP:5 ステップ② 声門完全閉鎖の状態を作り、声を混ぜていく
ヘッドボイスの鍵は声門閉鎖です。ここで注意をしたいのが声門完全閉鎖は、”喉を強く締めること”ではなく、自然に閉じる状態を作ることが重要です。
閉鎖状態を作り出すのに効果的な手法はエッジボイスです。ぶつぶつとキレのあるダミ声のような、正しく声帯が閉じた状態でのみ出る声です。難しさを感じる際は、朝起きてすぐに試してみて下さい。朝は声帯が浮腫みやすく閉鎖状態を作りやすいため、感覚を掴むには最高のタイミングです。
エッジボイスを発声することができたら、次は声を混ぜていきます。発音は 「O(お)」 です。 いきなり切り替えるのではなく徐々に声を入れていき、自然と切り替わるまでロングトーンを保ちます。
この時に声を前に押し出さないよう注意しましょう。あくまでも、エッジボイスで作り出した力の抜けた閉鎖状態を保ちながら声を入れていきたいので、息漏れを感じたり喉の状態が途中で変化しないように意識をしましょう。
・エッジベンドの意識:ポイントは、エッジボイスの段階で喉の位置を自分の出したい音に合わせることです。これをエッジベンドといいます。喉仏の位置をそれぞれの音に合わせて調節する感覚を掴みましょう。ここで作った喉の感覚を変えないことで力強いヘッドボイスの発声ができます。
STEP:6 ステップ③ 共鳴させる
最後のステップは、作り出した声を共鳴させることです。
・意識する方向:「頭の斜め上」を意識しましょう。イメージは髪の長い方の高いポニーテールの位置です。声を前に飛ばそうと力むのではなく、自分の顔のまわりで声が広がっている感覚を大切にしてください。
「高音は眉間に集める」と言われることもありますが、喉の奥を斜め上に広げる感覚で発声するとより共鳴感を実感できます。実は高音の発声は、声帯が後ろに伸びることで薄くなり、それに伴って振動数が上がることで可能となります。この「頭の斜め後ろ」の意識こそが、物理的な声帯の動きの手助けになるのです。
STEP:7 2つの注意点
高音発声の練習は慣れるまで喉に負担がかかってしまう方もいらっしゃいます。
以下の2つに注意して取り組みましょう。
① 全身の力を抜く
力を抜くのは声帯だけではありません。手や顎、肩、そして表情筋なども含まれます。深呼吸をしたり、手や肩をゆらゆら揺らすなど全身の力を抜きリラックスした状態で発声することを意識しましょう。力みは高音が出ない最大の原因です。
② 吐くことよりも息を吸うことを意識する
声を出す時に息を吐くことは当然ですが、あえて吸うことに意識を移してみましょう。息を必要以上に出そうとしてしまうと息漏れや、息切れ、喉の締め付けの原因になってしまいます。吸い込んだ息を使い切るのではなく、必要な分だけ利用できるよう「ブレスコントロール」も合わせて習得しましょう。
STEP:8 発展練習
エッジボイスから声を混ぜる感覚に慣れてきた方向けに、発展練習です。
① 単発発声
まずエッジボイスに徐々に声を入れ、一度息継ぎをします。その後同じ音で単発のヘッドボイス発声を行いましょう。この時に響きが変わらなければ成功です。
②母音の展開
この次に挑戦できることは、発音を 「O(お)」 から「I(い)」 や 「U(う)」に変えて練習を行うことです。日々のコンディションに合わせて徐々に練習内容を発展させましょう。
必ず得意な母音とそうでない母音は出てきますが、どの音でも同じ喉の状態と共鳴感を感じられるよう取り組みましょう。
まずはステップ③まで出来れば十分です。焦らずチャレンジしてみてください。
STEP:9 まとめ
いかがでしたでしょうか?日々の発声練習に取り入れることができる高音発声、ヘッドボイスのエクササイズでした。声帯は体の中でもとても繊細な筋肉です。私がそうであったように、続けていく中で必ず「変わった!」と思えるタイミングが訪れます。無理に動かすのではなく、焦らず日々の小さなトレーニングで理想の声に近づいていきましょう。今回紹介したステップを実践すれば、安定した高音発声が身に付きます。
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