楽譜を前にして、こう感じたことはありませんか。中学校で音楽を教えていると、生徒からも同じ声をよく聞きます。
実は、どの調でも使う手順は同じです。覚えるのは「調号から主音を見つけるルール」と「コードの並び方のパターン」の2つだけ。この記事では、その2つを順に説明し、最後に主な長調の早見表をまとめます。
目次
STEP:1 ダイアトニックコードとは
ダイアトニックコードは、ある調の音階(スケール)の音だけで作った和音のことです。
音階の各音を土台にして、1つ飛ばしで3つ重ねます。たとえばCメジャー(ハ長調)なら、ドの上にド・ミ・ソを重ねてC、レの上にレ・ファ・ラを重ねてDm、という具合です。これを7つの音すべてで行うと、次の7つのコードができます。
C → Dm → Em → F → G → Am → Bdim
左から順に、I・II・III・IV・V・VI・VIIと番号で呼びます。
STEP:2 手順1 調号から主音を見つける
まず、調号を見て「何調か」を決めます。長調の場合、次のルールで主音がわかります。
♯系の調は、いちばん右の♯の音から半音上が主音です。
・♯1つ(ファ♯):半音上はソ。Gメジャー
・♯2つ(最後はド♯):半音上はレ。Dメジャー
・♯3つ(最後はソ♯):半音上はラ。Aメジャー
♭系の調は、右から2番目の♭の音が主音です。
・♭2つ(シ♭・ミ♭):右から2番目はシ♭。B♭メジャー
・♭3つ(シ♭・ミ♭・ラ♭):右から2番目はミ♭。E♭メジャー
・♭1つだけは例外で、Fメジャーと覚えてしまいます
STEP:3 手順2 「長・短・短・長・長・短・減」をあてはめる
主音がわかれば、あとは音階を順に並べ、決まったパターンをあてはめるだけです。
長調のダイアトニックコードは、どの調でも次の順番になります。
・I、IV、V:メジャー(長三和音)
・II、III、VI:マイナー(短三和音)
・VII:ディミニッシュ(減三和音)
「長・短・短・長・長・短・減」と声に出して覚えると、すぐに出てきます。
STEP:4 Gメジャーで試してみる
Gメジャーで試してみましょう。音階はソ・ラ・シ・ド・レ・ミ・ファ♯です。これにパターンをあてはめると、次のようになります。
G → Am → Bm → C → D → Em → F♯dim
調号の♯や♭は、音階の音にそのまま付けるのがポイントです。Gメジャーでは、ファが必ずファ♯になります。ここを忘れると、VIIのコードを「Fdim」と書いてしまうので注意しましょう。
STEP:5 早見表 主な長調のダイアトニックコード
調号0〜4つの長調をまとめました。どの調も、I・II・III・IV・V・VI・VIIの順に並べています。
【調号なし】Cメジャー
C/Dm/Em/F/G/Am/Bdim
【♯1つ】Gメジャー
G/Am/Bm/C/D/Em/F♯dim
【♯2つ】Dメジャー
D/Em/F♯m/G/A/Bm/C♯dim
【♯3つ】Aメジャー
A/Bm/C♯m/D/E/F♯m/G♯dim
【♯4つ】Eメジャー
E/F♯m/G♯m/A/B/C♯m/D♯dim
【♭1つ】Fメジャー
F/Gm/Am/B♭/C/Dm/Edim
【♭2つ】B♭メジャー
B♭/Cm/Dm/E♭/F/Gm/Adim
【♭3つ】E♭メジャー
E♭/Fm/Gm/A♭/B♭/Cm/Ddim
【♭4つ】A♭メジャー
A♭/B♭m/Cm/D♭/E♭/Fm/Gdim
どの調でも、1番目・4番目・5番目(I・IV・V)はメジャーコードです。曲の骨組みになるのはこの3つなので、まずはここから覚えると、伴奏づけやコード進行の理解がぐっと楽になります。
STEP:6 短調の場合
短調は、同じ調号を持つ長調(平行調)のコードをそのまま使えます。たとえばAマイナーはCメジャーと同じ調号なので、使うコードも同じ7つです。並べる順番をAmから始めると、Am・Bdim・C・Dm・Em・F・Gとなります。
ただし、短調の曲ではVのコードをメジャー(AマイナーならE)に変えて使うことがよくあります。これは和声的短音階によるもので、詳しくは別の記事で取り上げます。
STEP:7 まとめ
・♯系は「最後の♯の半音上」、♭系は「右から2番目の♭」が主音
・長調のコードは、どの調でも「長・短・短・長・長・短・減」
・調号の♯・♭は音階の音にそのまま付ける
この3つを押さえれば、Cメジャー以外の楽譜でも、コードを自分で出せるようになります。手元の楽譜で、まずは調号を確認するところから試してみてください。
コメント0件