ここではそんな方にもなるべくわかりやすく動作原理やパラメーターなどを解説していきたいと思います。
ギター用コンパクトエフェクターのコンプレッサーについては、基本的には同じようなものではあるのですが、設定や使用方法・使用感が多少違ってきますのでここでは割愛し別の機会にご紹介します。
目次
STEP:1 コンプレッサーとはどんなもの?
一言で言うと「音量の大小の差を少なく圧縮(コンプレッション)するエフェクター」です。
入力した音が、事前に設定したある一定の値(スレッショルド)を超えると、設定した比率(レシオ)に従って自動で音量を下げてくれる、というものです。
ですからコンプレッサーは”音量を低く下げる方向に働く”というのが”基本”です。
この点をしっかり覚えておきましょう。
「でもプラグインのコンプレッサーを使うと音量が上がるよ」
と言われるかもしれませんが、それは後ほど「ゲイン(GAIN)」の項で説明します。
STEP:2 コンプレッサーの用途
コンプレッサーをどんな時に使うかと言うと
・音量差が大きすぎて小さい音があまり聞こえない
音量の大小の差が大きいとき、大きい方の音にレベルをあわせると、
小さい音が他の楽器などに隠れて聞こえなくなってしまいます。
かといって小さい音をよく聞こえるくらいに上げると、今度は大きい音が歪んでしまう、そんなときにダイナミックスを適度に整えて全体を聞きやすくしてくれます。
特にドラムス、アコースティックギターボーカルなどのミックスには必須と言えるでしょう。
・音に迫力を出したい
これは少し応用編とも言えますが、音量差を整える効果以上に過剰にコンプレッサーを掛けることによって、音に迫力を出すことができます。これは人間の聴感上の特性(くせ)を利用したもので、特にドラムやボーカルに使うと効果的です。
STEP:3 スレッショルドについて1
一般的なコンプレッサーの基本的なパラメーターについてご説明します
・スレッショルド(Threshold)…閾値(しきいち)
入力がこちらで設定した値を超えるとコンプレッション動作を開始します。
値を高めに設定すると、特に大きい音量にだけ効果がかかリます。
STEP:4 スレッショルドについて2
STEP:5 ゲインについて
・ゲイン(Gain)もしくはメイクアップゲイン(Make Up Gain)
エフェクトを通過したあとの音量を調節します。
先程記載しましたが、コンプレッサーは「大きい音を圧縮して小さくする」ものなので、その下がった分のゲインを調節することにより、相対的に全体の音量を持ち上げることができます。
ゲインとスレッショルド、レシオやアタック、リリースの設定次第では、楽器の鳴りや余韻を強調し迫力のある音を作ることができます。
機種によってはオートゲイン(Auto GAIN)機能が搭載されているものもあります。
コンプレッションされて音量が下がった分を、自動で持ち上げてくれる機能です。
オートゲインがオンのとき、設定によって元の音より音量が上がる場合があります。
人間の耳には音量が大きいほど良い音に聞こえる特性があるので、
効果を聴き比べるとき、元音との音量差を考慮に入れる必要があります。
STEP:6 レシオについて
・レシオ(Ratio)…比率(ひりつ)
入力されたソース(音源)のうちスレッショルドを超えた分が、こちらで設定した値に従って圧縮されます。
通常、数値は「4:1」「8:1」など比率で表示されます。
(ソフトによっては単に「2」「4」等、分母のみ表示しているものもあります)
例えば「4:1」の場合、スレッショルドを超えた音量が元音の1/4になります。
・アタック(Attack)
入力されや音がスレッショルドを超えたとき、コンプレッション動作に入るまでの時間を調節します。
・リリース(Release)
入力されや音がスレッショルド以下になったとき、コンプレッション動作から抜けるまでの時間を調節します。
その他、機種によって搭載されているパラメーターに
・ニー(Knee)があります。
ニーはコンプレッサーの動作開始時の変化量カーブを設定します。
こちらをソフトにすると自然に、ハードにすると急激にコンプレッションされます。
STEP:7 まとめ
コンプレッサーは理解が難しいぶん、使いこなすとミックスの出来上がりが格段に良くなります。この記事をぜひ参考になさってください。
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