目次
STEP:1 大人がピアノを学ぶメリット
大人からピアノを始めることは、決してハンディキャップではありません。むしろ、大人だからこそ得られるメリットがたくさんあります。
まず、大人は論理的思考ができるため、「なぜこの指使いなのか」「なぜこのリズムなのか」を理解しながら練習できます。子どもは感覚的に覚えますが、大人は理屈で納得してから身につけるため、一度覚えたことは忘れにくいのが特徴です。
また、大人は自分のペースで学習できます。「今日は疲れているから5分だけ」「今日は調子が良いから30分弾こう」といった柔軟な調整が可能です。無理をしないからこそ、長く続けられるのです。
ピアノ演奏は、日々のストレス解消にも効果的です。鍵盤に集中することで、仕事や家事の悩みから一時的に離れることができ、心のリフレッシュにつながります。
STEP:2 ピアノ練習で大切な心構え
ピアノ練習を継続するために最も重要なのは、「完璧を求めすぎない」ことです。
練習中に間違えてしまっても、そこで止まらずに最後まで弾き続けましょう。筆者も練習時に「この音は違った」「今のリズムおかしかった」と感じることは日常茶飯事です。
しかし、一度止まってしまうと、そこからの再開は意外と難しいものです。間違いを恐れて止まるよりも、多少のミスがあっても最後まで弾き通すことで、曲全体の流れを身体で覚えることができます。
また、「毎日必ず1時間練習する」といった厳しいルールを設けるのも挫折の原因になります。5分でも10分でも、毎日ピアノに触れることの方が、長期的には大きな成果につながります。
練習は「量」よりも「継続」です。無理のない範囲で、楽しみながら続けることを心がけましょう。
STEP:3 練習1. 毎日5分の指ほぐし運動
大人の指は日常的にスマートフォンやパソコンのキーボードを使うため、硬くなりがちです。ピアノを弾く前に、まず指をほぐしましょう。
〇基本の指体操
・手首をゆっくり回す(時計回り・反時計回り各10回)
・指を一本ずつ上下に動かす(各指5回ずつ)
・手をグーパーの形に繰り返す(10回)
次に、指番号を覚えながらドレミファソを弾いてみましょう。親指を1番、人差し指を2番と順番に割り当て、1番でド、2番でレ、3番でミ、4番でファ、5番でソを弾きます。
最初はゆっくりと、慣れてきたら少しずつテンポを上げていきます。この簡単な運動を毎日5分続けるだけで、指の独立性が向上し、滑らかな演奏の土台ができます。
STEP:4 練習2. 正しい姿勢とフォームの習得
間違った姿勢やフォームは上達を阻害し、手や腕の痛みの原因にもなります。最初に正しいフォームを身につけることが重要です。
〇基本の座り方
・椅子に浅く腰掛け、背筋を伸ばす
・足裏全体を床につける
・鍵盤と体の距離は、肘が軽く曲がる程度
〇手のフォーム
・手首は鍵盤と同じ高さかやや高めに保つ
・指は卵を持つような丸い形を作る
・肩の力を抜き、腕は自然に下ろす
正しいフォームは最初は違和感があるかもしれません。筆者も再開当初は「こんなに手首を上げるの?」と感じていました。しかし、継続することで必ず自然な動きになります。鏡を見ながら練習すると、自分のフォームを客観的にチェックできます。
STEP:5 練習3. 片手ずつのメロディ練習
いきなり両手で弾こうとすると混乱してしまいます。まずは右手だけで簡単なメロディを弾けるようになりましょう。
〇おすすめの練習曲
ちょうちょ(ソミミファレレ ドレミファソソソ)
この曲は多くの方が知っているメロディなので、楽譜が読めなくても音の高低を耳で確認しながら練習できます。指番号を意識して、正しい指使いで弾くことを心がけましょう。
一音ずつ確実に押さえることから始め、慣れてきたら滑らかに演奏できるよう練習します。右手で基本的なメロディが弾けるようになったら、左手で単音の伴奏(ドやソなど)を加えてみましょう。
@ykh48.88 ちょうちょ練習
♬ オリジナル楽曲 - YKH48
STEP:6 練習4. 楽譜の基本的な読み方
楽譜が読めると、演奏できる曲の幅が大幅に広がります。大人は論理的に理解できるため、効率よく読譜力を身につけることができます。
〇まず覚える音
右手(ト音記号):真ん中のドから上のドレミファソ
左手(ヘ音記号):真ん中のドから下のドレミファソ
〇効率的な覚え方
五線譜の線上と線間を区別する
基準となる音(真ん中のド)を確実に覚える
そこから上下に数えて音程を把握する
毎日少しずつ読譜範囲を広げる
最初は時間がかかっても、毎日少しずつ楽譜を見る習慣をつけましょう。簡単な童謡の楽譜から始めて、徐々に難しい楽譜にチャレンジしていくことがコツです。
STEP:7 練習5. 両手演奏への段階的アプローチ
両手での演奏は、焦らず段階的に進めることが成功の秘訣です。以下のスケジュールを参考に、確実にステップアップしていきましょう。
〇2週間で1曲マスターするスケジュール
1-3日目:右手のメロディを完璧に
正しい指使いで、ゆっくりと確実に弾けるようになりましょう。間違えても止まらず、最後まで弾く練習を心がけます。
4-6日目:左手の伴奏を追加
単音での簡単な伴奏から始めます。右手と同じテンポで弾けるように練習しましょう。
7-10日目:両手を別々に完璧にする
右手、左手それぞれを暗譜できるレベルまで練習します。メトロノームを使ってテンポを一定に保つことも重要です。
11-14日目:両手合わせの練習
最初は非常にゆっくりとしたテンポで始めます。一小節ずつ区切って練習し、徐々につなげていきます。完璧でなくても、最初から最後まで通して弾くことを心がけましょう。
この練習スケジュールを守ることで、無理なく両手演奏ができるようになります。「今日はここまでできた」という達成感を大切にして、完璧を求めすぎないことがポイントです。
STEP:8 まとめ
以上、大人から始めるピアノ練習法について解説しました。
大人がピアノを始めることは決して遅くありません。むしろ、論理的思考力や柔軟な学習ペースなど、大人だからこその利点を活かすことで、効率的に上達することができます。
本記事で紹介した5つの練習法は、筆者が実際に試して効果を実感したものです。初めから複雑な演奏を目指さず、まずは指ほぐしや正しいフォームから始めて、段階的にレベルアップしていくことが重要です。
また、練習を継続するためには「完璧よりも継続」を心がけましょう。5分でも10分でも、毎日ピアノに触れることで、確実に上達につながります。
これらの練習法を活用して、ピアノ演奏への不安を解消し、音楽のある豊かな生活を始めてください。きっと、日々の暮らしがより充実したものになることでしょう。
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