ツェルニーは初心者にも必要?ピアノ基礎練習の王道を解説
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ツェルニーは初心者にも必要?ピアノ基礎練習の王道を解説

ピアノ学習者なら一度は耳にする名前、「ツェルニー」。技術練習の代名詞とも言える存在であり、多くの指導者が教材に取り入れています。
では、ピアノを始めたばかりの初心者にも、ツェルニーは必要なのでしょうか?
本記事では「ツェルニー=王道」という一般的なイメージを問い直しながら、初心者にとって本当に価値ある練習とは何かを紐解いていきます。

STEP:1 ツェルニーとは誰か、そして何をしたのか?

カール・ツェルニー(Carl Czerny)は19世紀ウィーンで活躍した作曲家・教育者です。彼はベートーヴェンの弟子であり、リストの師でもありました。

彼が書いた無数のエチュード(練習曲)は、ただのテクニックの反復ではなく、体系的に構成された「指導の哲学」を持っています。なかでも有名な「100番」「30番」「40番」「50番」は、現在も世界中の音楽教室で使われています。

STEP:2 ツェルニーを取り入れるタイミングと選び方

ツェルニーは数百曲もあり、難易度にも大きな差があります。おすすめなのは次のようなステップです:
1. バイエル後半または同等レベルになったら
 →「ツェルニー100番(Op.139)」の1~20番あたりから
2. 両手でスムーズに演奏できるようになったら
 →「30番練習曲(Op.849)」へ
3. より高度な表現力とテクニックが必要になったら
 →「40番」以降へ

ポイントは、「全部やる必要はない」ということ。今の自分に必要なテクニックに合わせて、部分的に使うのが効果的です。

今回はツェルニー100番について見ていきましょう。

STEP:3 ツェルニー100番 第2番「左右で異なる動きに慣れる」

この曲は、右手と左手で異なるリズムパターンを同時に処理する「両手の独立性」を養う定番の一曲。
右手は均等な8分音符で、左手は四分音符主体の和音進行というシンプルな構造ですが、テンポが速くなるとバランスを保つのが難しくなります。

この曲で身につくこと:
• 右手と左手を別々にコントロールする力
• シンプルなリズムでもテンポが速いと崩れやすいことへの意識
• 姿勢と手のフォームの安定性

STEP:4 次につながる“基本の感覚”、ここからスタート

ツェルニー100番第2番は、一見シンプルでも「両手をバラバラに動かす」というピアノ演奏の基礎に欠かせない力を育ててくれる、とても大切な一曲です。
無理に速く弾く必要はありません。毎日ほんの数分ずつでも、正確なリズムときれいな音を目指して練習を重ねていくことで、両手の独立や音のバランス感覚が自然と身につきます。
次回は、指の弱さを克服する「第8番」にチャレンジしてみましょう!

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