三味線の調弦ってどうやるの?
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三味線の調弦ってどうやるの?

「三味線を手に入れたけれど、「調弦」て何?」
三味線に始めて触れる方が最初につまずくのが「調弦」です。
この記事では、三味線の基本的な調弦方法を、初心者の方にもわかりやすく解説します!

STEP:1 1. そもそも「調弦」ってなに?

三味線を演奏する前に必ず行うべき準備、それが調弦(ちょうげん)です。
調弦とは、三味線の3本の弦を正しい音程に合わせる作業のことで、「チューニング」や「調律」といった意味です。

三味線の世界では『調弦三年、ツボ八年』という言葉があります。それほど奥深く、しかしとても大切な作業とされています。
調弦は、演奏の土台を支える重要なステップです。

STEP:2 2. 基本的な3つの調弦

まず、三味線の弦(糸)についてご説明します。

三味線には3本の糸が張られており、それぞれ
•一番太い糸を「1の糸」
•真ん中の糸を「2の糸」
•一番細い外側の糸を「3の糸」

と呼びます。

この3本の糸を、押さえずにそのまま鳴らした音(開放弦)の音程の関係性が、三味線の「調弦」となります。

その中でも、特によく使われる基本的な調弦が
「本調子(ほんちょうし)」
「二上がり(にあがり)」
「三下がり(さんさがり)」の3つです。

※実際には他にもいくつかの調弦がありますが、基本の3つの調弦を押さえましょう。

2. 基本的な3つの調弦

STEP:3 🔎 調子の仕組みを具体的に見てみよう!

下の表は、三味線の各調子における糸ごとの音の対応を示したものです。

1本から12本までの調子ごとに
1の糸・2の糸・3の糸がそれぞれどの音になるかが一覧になっています。

例として、「4本の高さ」(※後述)の調弦で見てみましょう。

•4本の本調子
→1の糸:ド、2の糸:ファ、3の糸:ド

•4本の二上り
→1の糸:ド、2の糸:ソ、3の糸:ド

•4本の三下り
→1の糸:ド、2の糸:ファ、3の糸:ラ♯(=シ♭)

このように「本調子」を基準として
2の糸を高くすると「二上り
3の糸を低くすると「三下り」になります。

🔎 調子の仕組みを具体的に見てみよう!

STEP:4 ▶︎ 実際の音の違いを聴いてみましょう!

この動画では、それぞれの調弦で開放弦を鳴らしています。
ぜひ耳で違いを感じてみてください。

STEP:5 🔎「 ○本」ってなに?調弦の高さを表す言葉

三味線の楽譜に「○本本調子」や「○本二上り」などと書かれているのを見たことはありますか?
これは、三味線では1の糸の音の高さを示す言葉です。(これを「基音」といいます)

•1本調子:1の糸=ラ
•2本調子:1の糸=ラ♯
• …
•4本調子:1の糸=ド

数字が大きくなるほど、音は半音ずつ高くなっていきます。
つまり「4本の本調子」と言えば、「ド・ファ・ド」という音の構成です。

三味線は伴奏楽器であり、歌い手の声に合わせて音を高くしたり低くしたりすることが可能な楽器です。
例えば、ピアノの伴奏では、鍵盤の弾く場所を変えて音の高低を変化させますが、
三味線では演奏する指の位置はそのままに、弦そのものの音の高さを変えるのが特徴です。

STEP:6 3. 実際の調弦のやり方

合わせる音程が分かったので、早速調弦を始めましょう!
ここでは、三味線をはじめたばかりの方にもわかりやすいように、基本的な調弦の手順をご紹介します。

STEP:7 【手順1】音の基準(基音)を決める

まずは、三味線の調弦の基準となる音(=基音)を決めます。
今回は『4本の本調子』に合わせてみましょう。

最も太い「1の糸(いちのいと)」の開放弦の音を、調子笛を使って「ド(C)」に合わせていきます。

目的の音を自分で吹き、その音に1の糸の音を合わせていきます。

このとき、音を高くしたい場合は糸巻きを巻き上げ、低くしたい場合はゆるめるように回します。

調子笛を吹いて「ド」の音を出しながら、1の糸を鳴らして音を比べましょう。
音が合うように、糸巻きを回して調整していきます。

STEP:8 手順2:残りの糸を合わせる(調弦の種類に応じて)

1の糸が決まったら、次に2の糸・3の糸を合わせます。
ここで、前述した「本調子」「二上り」「三下り」の調弦の種類によって音の関係が変わってきます。

たとえば…
•本調子:1の糸 → 2の糸 → 3の糸が「ド・ソ・ド(1オクターブ上)」のような関係

•二上り:本調子の2の糸を1音上げる

•三下り:本調子の3の糸を1音下げる

上記の表や音源動画を参考に、それぞれの関係性で糸の音を調整します。

STEP:9 手順3:耳で聴きながら微調整する

最後は、自分の耳で音を聴きながら微調整しましょう。
これで調弦が完了し、三味線の演奏をする準備ができました。

STEP:10 ✨ まとめ

三味線の調弦は、単に音を合わせるだけでなく、演奏の土台を作る大切な作業です。
最初は難しく感じるかもしれませんが、繰り返すうちに耳も慣れ、感覚が身についてきます。
焦らず、じっくり向き合っていきましょう!

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