コンプレッサーの各パラメーターについて
DTM レコーディング方法
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コンプレッサーの各パラメーターについて

前回の記事はご覧いただけましたか?
まだの方はぜひそちらを先にお読み頂くことをおすすめします。
(https://howto.mikke-music.jp/howtos/NiWXVCE)
コンプレッサー・リミッターの基本的な働きは音量の変化を圧縮し均一にするものですが、
その効果をよく理解して上手に利用すれば、さらに積極的な音作りも可能になります。

この項では音作りをしていく上で重要な要素となるパラメータについて、さらに詳しく説明いたします。
理屈はわかっているものの、実際に動作したときの音色のイメージがわかない、
という方にも分かりやすく説明していきます。

STEP:1 RATIO(レシオ)

レシオは通常 2:1、4:1など比率で表されます。
これは入力された音に対してどのくらい圧縮するか、と言う値です。
つまり2:1の場合、入力された音に対して出力は1/2になる、と言うことです。
ただ機種によってはオートゲイン機能がありますので、コンプレッサーを通しても音量は変わらないどころか上がって聞こえるものがあるので注意が必要です。
実際に使用する上で厳密に数値をとらえる必要はないので、この数値が大きいほど効果が深くなる、と言う原理だけを覚えておけば良いでしょう。
後述しますが、この比率が大きくなっていくと効果はリミッターに近づいていきます。

STEP:2 THRESHOLD(スレッショルド)

コンプレッサーが動作する値を設定します。
入力がこちらで設定した値を越えるとコンプレッションが始まりますが、レシオの値との組み合わせでかかり方が変わります。
例えばスレッショルド低め、レシオ小さめなら信号全体にゆるやかに効果がかかります。
逆にスレッショルド高めでレシオが大きい時はリミッターの様にしっかりと効果がかかります。

STEP:3 Attack Time(アタックタイム)

正確には「アタックタイム」ですが、「アタック」とだけ表示されている機種もあるので、分かりにくくなっていることかと思います。

入力された信号が設定したスレッショルドレベルを超えた時に実際にコンプレッションがかかるまでの“時間”を設定します。

つまり、このアタックタイムを速くすれば信号が入るとすぐに動作をするので、アタックの部分からレベルが抑えられ、音圧を上げることができます。逆に遅くすると最初のアタック部分が通過した後に効果がかかる様になります。
その後全体の音量を「ゲイン」で持ち上げれば相対的にアタックが強調された音になる、というわけです。
例えば、柔らかいクッションなどを上から手で押さえるところを想像してみて下さい。
手で押さえたところは圧縮されそれ以外の部分ははみ出て盛り上がってますよね。
アタックタイムを遅らせるとそんな感じで音が抑えきれずにはみ出ているので、相対的に強調される、というわけです。

Attack Time(アタックタイム)

STEP:4 Release Time(リリースタイム)

コンプレッサーが動作している時に入力信号が設定したスレッショルドよりも下がると、動作を停止しコンプレッションから復帰しますが、元に戻るまでの時間をコントロールするパラメータです。
クッションのたとえで言うと、押さえていた手を離した時に、圧縮されていた部分が元に戻っていくのに少し時間がかかりますよね?そのように復帰する時間の長さがリリースタイムにより設定されます。
このリリースタイムの設定次第でもサウンドはかなり変化します。

リリースタイムが遅い場合、入力レベルが下がってスレッショルド以下になっても、ゆっくりとコンプレッションから復帰します。

ギターやピアノのアルペジオなど、一音一音にアタックをつけると言うよりも全体の粒立ちを揃えたい様な場合は、リリースタイムを比較的遅めに設定する方が良いです。

逆に、例えば一つだけ飛び出ている音のレベルを抑えたいと言う場合、後に続く音に影響を与えない様に、リリースタイムは早めに設定した方が効果的です。

また、ドラムやリズムギター、ベースのスラップなどにかける時はリズムの細かさやテンポに合わせてリリースを調整しましょう。長過ぎるとグルーブを壊してしまうこともありますので注意が必要です。

他に注意する点として、リリースタイムを早くしすぎると、特にヴォーカルや低音の持続音などで歪みやすくなったり、急激な音量変化で不安定な感じになることがあるので気をつけましょう。

STEP:5 まとめ

ミックスする上でコンプレッサーは必要不可欠なものです。
使用法を習得し上手に使えばミックスのレベルが格段に上がると思います。

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