カテゴリー
レベル

ベースの音がこもる/芯が出ない…|原因と改善のコツ(右手・弦・EQの基本)

ベースの音がこもる/芯が出ない…|原因と改善のコツ(右手・弦・EQの基本)

STEP:1 はじめに

今回動画の中で紹介している
「ダメな弾き方三連発」は、すべて私自身が実際に通ってきたフォームです(笑)。
あくまで個人の経験に基づいた話であり、
必ずしもこれが“正解”というわけではありません。
その点はあらかじめご了承ください。
試行錯誤を重ねる中で気づいたこと、
個人的に「これは良くなかったな」「ここが変わったな」と感じた部分をまとめています。
この記事と動画が、
同じようにベースの音に悩んでいる方にとって、
何かひとつでもヒントや共感につながれば幸いです。

STEP:2 ① 右手は“指先”ではなく“指全体”で弦を鳴らす

ベースは弦にしっかりとしたエネルギーが伝わって初めて、
低音と中高音がバランスよく鳴ります。
ところが、第二関節から先だけを使うフォームになると、
弦を「動かしているつもり」でも、
振動そのものが浅くなってしまうのが問題です。
その代表例が、次に挙げる弾き方です。

STEP:3 ② 初心者がやりがちな「つまみ弾き」

つまみ弾きとは、
弦を指先でつまむように引っ張って離す弾き方です。
この弾き方の特徴は、
音が硬くなるというよりも、むしろその逆で、
・低音域だけが出てボヤっと広がる
・音の輪郭がなく、前に飛んでこない
・音圧が足りず、中高音が出ない
といったサウンドになりやすい点です。
弦を上下方向に引っ張る動きが中心になるため、
横方向の振動が十分に生まれず、
ベースらしい「押し出す力」が出ません。
結果として、
EQで低音を上げるほどモコモコして、
どこにベースがいるのか分からない音になってしまいます。

STEP:4 ③ 振り抜いているつもりでも要注意な「引っ掛け弾き」

つまみ弾きから少し進化した形として多いのが、
引っ掛け弾きです。
一応弦は振り抜いているものの、
動いているのはほぼ第二関節から先だけ。
指をコンパクトにくねくねさせて、
弦に引っ掛けるように弾いてしまいます。
この弾き方の厄介な点は、
・音量が小さいまま、悪い意味で安定してしまう
・常に音圧不足で、存在感が出ない
・指先に負担が集中し、持久力が落ちる
という点です。
つまみ弾きの延長線上にあるフォームですが、
弦に伝わるエネルギー量が少ないため、
結果的に中低音が痩せ、
バンドの中で埋もれやすくなります。
また、長時間続けると
指先や関節を痛める原因にもなりがちです。

STEP:5 ④ 番外編:力任せで弾きすぎる「大振りフォーム」

芯が出ない原因は、弱すぎるだけではありません。
力みすぎて弾いているケースも要注意です。
必要以上に大振りで弾くと、
・バチバチとしたノイズが乗る
・弦の振動が暴れて音程感が不安定になる
・ピークを超えて中低音域が削られる
という状態になります。
音量は出ているのに、
なぜか太さや芯が感じられないのはこのためです。

STEP:6 ⑤ 正解は「小さすぎず、大きすぎない」振り抜き

理想的なのは、
指先だけに頼らない
指全体〜付け根の重さを使う
弦を横方向に自然に振り抜く
このバランスです。
アンプを通さずに弾いたときでも、
生音に芯と輪郭が感じられるかどうか。
それが右手フォームの良し悪しを判断する基準になります。

STEP:7 ⑥ 右手が整ってから、弦とEQを見直す

右手でしっかり弦を鳴らせるようになると、
初めて弦の劣化やEQの効き方が分かってきます。
EQは「足す」よりも「整理する」意識で。
特に低音を上げすぎないことが、
こもりを防ぐ最大のポイントです。

STEP:8 まとめ:芯のあるベースは右手フォームから

ベースの音がこもる/芯が出ないと感じたら、
つまみ弾きになっていないか
引っ掛け弾きで音圧不足になっていないか
力みすぎていないか
まずは右手を疑ってみてください。
ベースの音作りは、
機材でもEQでもなく、指の使い方から始まります。
正しく弦を振動させられるようになると、
音は自然と前に出てくるようになります。

コメント0件