音名がぐるっと並んでいて、♯や♭がついていて、長調や短調まで書いてあるアレです。
初めて見たときは、「うわっ……なんか難しそう」と思いませんでしたか?
「これ、どこから見ればいいの?」
「そもそも、なんで丸いの?」
「……で、これって何に使うの?」
そんなふうに感じたことがある人も、多いのではないでしょうか。
でも、この一見難しそうな円の中には、音と音のつながりや、調の関係がぎゅっと詰まっています。
そして、この仕組みがわかってくると、
「あれ? 五度圏って、けっこう面白いかも。」
となってくるんです。
このツールでは、五度圏をただ眺めたり暗記したりするのではなく、
実際にサークルをくるくる動かしながら、
「なぜこうなっているの?」を少しずつほどいていきます!
目次
STEP:1 まず触れておきたい…3種類の音の名前!
五度圏の前に、音の名前が3種類あることに触れたいと思います。
画像をご覧ください。
ド=C=ハ、レ=D=ニ、ミ=E=ホ…というように、同じ音に、いくつかの呼び方があります。
馴染みのあるドレミ…はイタリア語、コードネームや調名などでよく使用するABC…は英語、また同じく調名などで耳にするハニホ…は日本語と、日本の音楽はバイリンガル。普段から、3つの名前を使い分けています。
五度圏では、主に英語の C・D・E… というアルファベット表記を使います。
さらに、ポイントとして、音の名前と、調の名前は、同じアルファベットで表されます。
たとえば、C は「ド」であり、Key=Cのことです。
日本語では、C=ハ、Key=C=ハ長調です。
つまり五度圏で「C」と書いてあったときは、音そのものの(ド)と、Key=C (ハ長調)という調の両方を表していると思えばOKです。
STEP:2 五度圏を知るうえで大切な、「完全5度」とは?
五度圏は、完全5度ずつ進む順に、キーが円状に並べられているものです。
アルファベットで表された隣どうしのキーが、「完全5度の関係」になっています。
まるで5分ずつ進む、時計のようでしょう?
完全5度とは、ド(C)を基準にしたとき、ド・レ・ミ・ファ・ソと数えて5番目にあたる音(ソ)との関係のことです。
これは、「間に6つの弾かない音」がある関係ともいえます。
(※画像の鍵盤図をご参照ください。)
これをキーで表すと、Key=C(ハ長調)とKey=G(ト長調)です。
五度圏の右どなりが完全5度上である【属調(ぞくちょう)】、左どなりが完全5度下【下属調(かぞくちょう)】のキーといいます。
Key=C(ハ長調)の属調はKey=G(ト長調)、下属調はKey=F(ヘ長調)です。
同じように、Key=C(ハ長調)と同じ調合をもつKey=Am(イ短調)では、属調はKey=Em(ホ短調)、下属調はKey=Dm(ニ短調)となります。
このステップでは、動画でご紹介しているClaudeアーティファクトを実際に使っていただくと、さらにわかりやすいので、良かったらお試しください!
↓↓
『五度圏〜さわって覚えられるミニツール〜』
https://claude.ai/public/artifacts/4a45ed59-eea7-4495-beed-4119533b488a
『五度圏〜さわって覚えられるミニツール〜+日本語調名記載ver.』
https://claude.ai/public/artifacts/d425d34a-358b-4371-bde5-a645d0b43c7b
STEP:3 五度圏で見る、#と♭の変化!
五度圏を見ていくと、♯や♭が少しずつ変化しているのがわかります。
たとえば、Key=C(ハ長調)から右に回すと、
♯1個 (#ファ)→ Key=G(ト長調)、
♯2個(#ファ、#ド) →Key= D(ニ長調)、 ♯3個 (#ファ、#ド、#ソ)→ Key=A(イ長調)…と#が増え、
Key=C(ハ長調)から左に回すと、
♭1個 (♭シ)→Key=F(ヘ長調)、 ♭2個 (♭シ、♭ミ)→ Key=B♭(変ロ長調)、♭3個 (♭シ、♭ミ、♭ラ)→ Key=E♭(変ホ長調)…と♭が増えていきます。
ここで、「異名同音」も登場します。
#が6つ付くKey=F♯(嬰ヘ長調) と、♭が6つ付くKey=G♭(変ト長調)、
そして、同じく#6つのKey=D#m(嬰二短調)と、♭6つのKey=E♭m(変ホ短調)です。
ここで、STEP.1の画像を思い出してみてください。
#ファと♭ソ、#レと♭ミはそれぞれ同じ音にあたりますね。
五度圏では、それらが同じ位置にまとめられているんです。
STEP:4 属調と下属調と、スケールの関係
五度圏でとなり同士となるキーは、それぞれのキーを行き来しても自然に聞こえるという特性を持っています。
それには、それぞれキーの音の階段(スケール)が関係するんです!
STEP.2で書きましたように、Key=C(ハ長調)を基準にすると、完Key=G(ト長調)が「属調」、Key=F(ヘ長調)が「下属調」です。
画像をご覧ください。
Key=Cの(ハ長調)のスケール後半(ソ・ラ・シ・ド)が、そのままKey=G(ト長調)のスケール前半になります。
同じように、Key=C(ハ長調)のスケール前半(ド・レ・ミ・ファ)が、そのままKey=F(ヘ長調)のスケール後半になります。
そのため、五度圏でとなり同士にあたるキーは、どれも自然なつながりを持っているように聞こえるのです。
もちろん、これは長調だけではなく、短調も同じです。
長調・短調とも、それぞれとなり合うキーには、音と音の密接な関係があります。
STEP:5 五度圏には書かれない「#」や「♭」が7つまでつくキーがある!?
五度圏には、#・♭とも6つまでのキーしか書かれていませんが、実は、#・♭が最大である7つ付くキーが存在します。
#が7つのKey=C♯(嬰ハ長調)は、バッハの《平均律クラヴィーア曲集 第1巻 第3番》、♭が7つのKey=C♭(変ハ長調)は、ブリテンの《C♭メジャーの間奏曲》など、実際の楽曲でも使用されているんです。
では、これらのキーと五度圏に載っているキーは、何が違うのでしょう?
これには、STEP.3で触れた「異名同音」が関係しています。
C♯(ドの#)とD♭(レの♭)は、同じ音です。
でも、調号はKey=C#(嬰ハ長調)なら#7つ、Key=D♭(変ニ長調)なら♭5つ。
楽譜に表すなら、断然Key=D♭が見やすいでしょう。
このように同じ音になる別名のキーがあるため、五度圏では、より扱いやすい表記のキーを中心に載せているんです。
STEP:6 サークルを使って問題を解こう!
ではここで、STEP.2でご紹介した五度圏ミニツール、または画像を使って、下のクイズに挑戦してみましょう!
【①】
* C(ド)の完全5度上の音は?
* C(ド)の完全5度下の音は?
* G(ソ)の完全5度上の音は?
* F(ファ)の完全5度下の音は?
【②】
* Key=C(ハ長調)の属調は?
* Key=C(ハ長調)の下属調は?
* Key=G(ト長調)の属調は?
* Key=Fm(ヘ短調)の下属調は?
【③】
* Key=D(ニ長調)の♯はいくつ?
* Key=B♭(変ロ長調)の♭はいくつ?
* Key=Em(ホ短調)の♯はいくつ?
いかがでしたか?
これらは五度圏に、すべて答えが載っています。
慣れてきたら、問題を作ってみるのもおすすめです!
STEP:7 五度圏に触れることは、こわくない!
ここまで、五度圏にまつわるあれこれをお伝えしてきましたが、五度圏で大事なことは「音の名前」、「完全5度で進む」、この2つです。
その2つを知っていれば、五度圏は難しいものではなく、とても親切な図といえます。
五度圏は、調号を見るだけの図ではありません。
* 五度圏上で隣り合う調
* 長調と、それと同じ調号を持つ短調
* 調同士の距離
* コード進行との関係
などが盛り込まれた、音と音との関係を見る地図であり、とても美しく作られたサークルです。
ぜひ眺めてみたり、ご紹介しました「五度圏ツール」をくるくる触ってみたりしながら、積極的に触れてみてください。
きっと色々な発見につながると思います!
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